ポリコームタンパクYAF2による大腸癌の進展、転移、再発における制御機構の解明
Project/Area Number |
23K08148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 駿介 千葉大学, 千葉大学医学部附属病院, 医員 (30971741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 重紹 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20436380)
酒井 望 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70436385)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
鈴木 大亮 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (90422229)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / YAF2 / ポリコーム群タンパク |
Outline of Research at the Start |
①大腸癌原発巣、肝転移巣の切除検体を用いてYAF2と臨床病理学的因子や予後との関係を検討する。 ②大腸癌細胞株を用いYAF2をoverexpression/knockdownし、増殖、遊走、浸潤能、EMT、apoptosis等にどのような影響をもたらすかを検討する。また、大腸癌化学療法のキードラッグであるoxaliplatinとirinotecanに対するchemoresistanceに及ぼす影響について検討する。 ③大腸癌モデルを作成しYAF2の働きを転移形成に至る過程でのYAF2の関与を解析する。さらに原発巣、転移巣でのYAF2発現と腫瘍周囲環境について検討する
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Outline of Annual Research Achievements |
当院で手術を施行した臨床大腸癌標本を用いてYAF2の発現パターンと臨床病理学的因子や予後との相関について解析した。 ①2012年から2013年の1年間に当院で手術を施行したStage I-IVの大腸癌症例151例を対象として解析を行った。大腸癌 (Stage I-IV)の151例中YAF2高発現が108例, 低発現が43例であった。StageI-IVを合わせた全症例の検討ではYAF2発現の高低で原発巣切除後の全生存期間に有意差を認めなかった (p=0.209)。深達度と遠隔転移の発生率で有意差を認め、T4症例はYAF2高発現群で17.6% (19/108例)、低発現群で37.2% (16/43例)であり低発現群でT4症例が多かった (p=0.010)。遠隔転移の発生率はYAF2高発現群が21.3% (23/108例)、低発現群が37.2% (16/43例)であり低発現群で高かった (p=0.044)。StageII,IIIのサブグループで検討を行うと、YAF2高発現が76例、低発現が26例で、YAF2高発現群ではOS(p=0.031)とDFS(p=0.016)がともに有意に長く、多変量解析でYAF2発現が予後と関連していた。 ②2005年から2012年に当院で手術を施行した大腸癌症例のうち、肝転移を生じ肝切除を行った79症例を対象として同様に解析を行った。肝転移切除を施行した79例で原発巣のYAF2発現を検討すると、YAF2高発現が61例、低発現が18例であった。原発巣切除後の全生存期間は高発現群で有意に長かった (86か月vs 43.5か月, p=0.005)。肝転移巣の病理検体でも同様にYAF2発現の評価を行うと、YAF2高発現が62例、低発現が16例であったが、OS、TSFは両群で有意差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はYAF2発現が大腸癌にもたらす影響を調べるために、まずは当院での大腸癌切除標本を免疫染色で評価した。大腸癌原発巣、大腸癌肝転移巣いずれも、YAF2発現が腫瘍抑制的に働いていると考えうる結果であった。 今後in vitroの実験に移行するにあたり、YAF2発現と臨床学的な相関が得られたことは成果であったと考える。よっておおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌腫瘍細胞におけるYAF2の役割を証明すべく、YAF2発現を認めた大腸癌細胞株2種(DLD-1およびLovo)を使用して研究を進める。 YAF2をknockdown, overexpressionした細胞を用いて,proliferation assay, wound healing assay, invasion assay 等の実験を行い腫瘍細胞におけるYAF2発現の影響を検討する。YAF2の腫瘍抑制メカニズムを解明するためにEMTマーカー, アポトーシス関連因子との相互関係を評価していく。 in vitroで得られた結果に基づき再度臨床検体、臨床データでの評価を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)