Project/Area Number |
23K08183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
廣島 幸彦 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所がん治療学部(がんゲノム診療科), 部長 (60718021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒滝 大翼 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (10568455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 膵癌 / 微小環境 / CITE-seq / ATAC-seq / CUT&Tag / 転写因子 / エピゲノム / 癌間質相互作用 / 癌関連線維芽細胞 |
Outline of Research at the Start |
近年、分子標的薬開発の加速により、遺伝子発現パターンを用いたサブタイプ分類を用いたがん治療が試みられている。また、膵癌において癌間質相互作用や転写制御異常(エピゲノム異常)が新たな治療標的として注目を集めている。本研究では、膵癌臨床検体のエピゲノム解析により、サブタイプ別の癌間質相互作用の制御機構の解明を目的とする。膵癌細胞・間質を別々にサブタイプ分類し、各々のサブタイプでのがん細胞、CAF(cancer associated fibroblast)の転写制御因子を選出し、さらに予後不良サブタイプの相互作用におけるマスター制御因子を同定することで、画期的な新規治療薬の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膵癌臨床検体のエピゲノム解析により、がん細胞、CAFの転写制御因子を同定し、癌間質相互作用の制御機構を解明することである。具体的には、まず臨床検体を用いてCITE-seqを実施し、膵癌細胞、CAFの表面マーカーを探索する。次に膵癌切除検体(30例)から癌部、非癌部をサンプリングし、CITE-seqで同定した表面マーカーを用いて①がん細胞フラクション、②CAFフラクションをソート収集する。さらに、①、②についてATAC-seq、CUT&Tagを実施し、共通する領域を標的エンハンサー領域として選出し、Motif解析を行い、転写制御されている分子群をがん細胞、CAFそれぞれについて同定する。 2023年度は、主に膵癌臨床検体を用いてCITE-seqを行った。8検体(腫瘍部:6,非腫瘍部:2)を前半、後半の2回に分けて解析した。様々な予備検討の結果、FACSは実施せず、組織を酵素処理し、単細胞化したあとにDebris除去操作を追加してからCITE-seqを実施することにより、1検体あたりの解析細胞数は2000細胞前後に減少したが、得られたデータのクラスタリングでは、クラスター毎に明確に遺伝発現パターンが異なり、CAF、がん細胞と考えられるクラスターの同定に成功した。またそれぞれのクラスターの表面抗原についても検討し、CAFについてはCD90を含む31のCAF表面マーカー候補を、がん細胞についてはEpCAMを含む8つの膵癌細胞マーカー候補の同定にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、主に膵癌臨床検体を用いてCITE-seqを行った。8検体(腫瘍部:6,非腫瘍部:2)を前半、後半の2回に分けて解析した。当初の計画では、FACSを用いてCD45-/EpCAM-の細胞群をソート収集し、CITE-seqを実施する予定であったが、予備実験でFACS後の膵癌組織細胞はかなりViabilityが低下し、Chromiumシングルセル遺伝子発現解析ではデータが得られないことが危惧されたため、FACSは実施せず、組織を酵素処理し、単細胞化したものをそのままCITE-seqに使用した。結果、前半4検体(腫瘍部:3,非腫瘍部:1)では、1検体あたり5000-7000細胞の解析結果を得ることに成功したが、クラスタリングでは死細胞と考えられる大きなクラスターが検出されたため、後半4検体では単細胞化したあとにDebris除去操作を追加してからCITE-seqを実施することにより、1検体あたりの解析細胞数は2000細胞前後に減少したが、得られたデータのクラスタリングでは、クラスター毎に明確に遺伝発現パターンが異なり、CAF、がん細胞と考えられるクラスターの同定に成功した。またそれぞれのクラスターの表面抗原についても検討し、CAFについてはCD90を含む31のCAF表面マーカー候補を、がん細胞についてはEpCAMを含む8つの膵癌細胞マーカー候補の同定にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
膵癌切除検体(30例)から癌部、非癌部をサンプリングし、CITE-seq で同定したっ表面抗原マーカーを用いて①がん細胞フラクション、②CAFフラクションを収集する。①、②についてATAC-seq、CUT&Tag を実施し、Homerを用いてタグ密度を算出し、癌部に特異的なPeakを同定する。また、各サブタイプ毎に特異的な領域と全てのサブタイプで共通する領域についても同定する。本研究では治療標的となりやすいエンハンサー領域を対象とし、H3K4me1, H3K27Acに対する抗体を用いてCUT&Tagを行う。 次に、ATAC-seq、CUT&Tagで共通する領域を標的エンハンサー領域として選出し、Motif解析を行い、転写制御されている分子について、RNA-seqデータで発現量を確認する。 さらに、上記で選出された標的エンハンサー領域で転写制御されている分子群(シグネチャー分子)をがん細胞、間質の各サブタイプで選出し、相互作用データベースに照合し、全てのサブタイプの組み合わせ(癌-間質)についてシグネチャー相互作用を選出することで、対応する標的エンハンサー領域から相互作用マスター制御因子を同定していく予定である。
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