免疫微小環境を標的とした高悪性度肝細胞癌に対する統合的治療戦略の開発
Project/Area Number |
23K08222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80624973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 講師 (40608965)
春木 孝一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60720894)
羽村 凌雅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60894425)
谷合 智彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60961860)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 教授 (80363373)
池上 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80432938)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / 癌微小環境 / 複合免疫療法 |
Outline of Research at the Start |
TP53-KO+MYC-OE高悪性度肝細胞癌株を免疫学的活性正常同種マウスに移植、その細胞学的特性および癌周囲微小免疫環境の変化を分子生物学的に明らかにし、高悪性度肝細胞癌に対する新たな革新的治療戦略を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
高悪性度肝細胞癌株として、LentiCRISPR/CSIIを用いて、Trp53(KO)-MYC(OE)マウス肝細胞癌株を作製した。同細胞を同系統C57BL/6マウスに皮下移植したところ、きわめて造腫瘍性の高い腫瘍が形成された。摘出した腫瘍に対して、CD3, CD8, CD31, Arginase-1の免疫染色にて腫瘍免疫細胞および血管内皮細胞を評価したところ、癌細胞は血管内皮細胞に覆われた索状構造である、vessels encapsulating tumor clusters (VETC) を呈しており、血管内皮細胞に覆われた腫瘍内にはCD3、CD8陽性細胞はほとんど存在せず、Arginase-1陽性細胞はほとんど存在しなかった。この結果から、今回作成した高悪性度肝細胞癌は異常血管構造を伴い、かつ腫瘍内は免疫抑制性の微小環境を有する可能性が示唆された。 上記で作成した同系統マウス皮下腫瘍モデルに対して免疫チェックポイント阻害剤単剤で治療を施行したところ、未治療群と比較して有意な腫瘍縮小は得られなかった。一方、血管新生阻害剤単剤投与は著明な腫瘍縮小が得られた。各々の腫瘍を摘出し、上記免疫染色にて癌微小環境を評価したところ、未治療群と免疫チェックポイント阻害剤投与群で微小環境に大きな違いは認めなかったが、血管新生阻害剤投与群においては、血管内皮が腫瘍を覆う構造であるVETCが消失し、腫瘍内浸潤リンパ球が増加していた。以上から、血管新生阻害剤投与にて異常血管構造を改善させ、腫瘍内リンパ球浸潤を促進することで、免疫チェックポイント阻害剤の奏功改善が期待できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、LentiCRISPR/CSIIによるTP53(KO)-MYC(OE)マウス細胞株を作製し、同系統C57BL/6マウスに皮下移植して高度な造腫瘍性を有する腫瘍が形成されることを確認した。また、同腫瘍を摘出し、各種免疫染色にて同腫瘍の癌微小環境を評価し、さらにはモデルに対して、免疫チェックポイント阻害剤、血管新生阻害剤を投与し、造腫瘍性および摘出腫瘍の癌微小環境を評価するにいたっており、概ね実験計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
摘出した腫瘍に関して、現在CD3、CD8、CD31、Arginase-1の免疫染色は施行したが、FoxP3、CD4、CD25、CD68、CD163、CD11b、CD33などの免疫染色を追加し、制御性T細胞や骨髄由来免疫抑制細胞といったより詳細な免疫プロファイルを評価していく。 動物実験については、血管新生阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤単剤投与での造腫瘍性、微小環境の評価は施行したので、2剤併用による複合免疫療法群についても同様の検討をおこなっていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)