Project/Area Number |
23K08275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
立岡 修治 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (30938311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宗一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (20325814)
向原 公介 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (40747903)
曽我 欣治 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50568607)
上田 英昭 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50598274)
橋口 照人 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70250917)
大川 政士 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (90869322)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ずり応力 / von Willebrand factor / Large multimer index / 大動脈弁狭窄症 / VEGF / 人工心肺 / フォンウィルブランド因子 |
Outline of Research at the Start |
体外式膜型人工肺や補助人工心臓で起こる消化管出血は、ずり応力で血小板やフォンウィルブランド因子を初めとした止血過程に関わる因子が障害されることが原因とされているが、血管異型には血管内皮増殖因子(VEGF)が大きく関与していると考えられる。VEGF165とVEGF121の2つのアイソフォームに着目した。同様の機序で血小板・凝固線溶系に影響することが予想される人工心肺の症例を対象に検体収集を行い、血中のVEGFアイソフォームと、血小板、凝固因子、マイクロRNAなどの動態を併せて解析し、その影響を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は人工心肺を使用した手術症例で、ポンプ自体で発生するずり応力の影響を解析することを目標としたものであるが、症例数が目標にまだ満たないため、当科の先行研究で収集した大動脈弁狭窄症(AS)患者の手術前から1年後の血液検体を用い、von Willebrand factor (vWF)等の動態を解析した。大動脈弁狭窄症で発生するずり応力によりvWF large multimerが減少することが知られており、その重症度の指標であるlarge multimer index (LMI)について検討した。術前(pre)、術直後(0d)、術後1日目(1d)、3日目(3d)、7日目(7d)、14日目(14d)、1ヵ月後(1m)、3ヵ月後(3m)、6ヵ月後(6m)、1年後(1y)の計10ポイントの採血検体を用いた。その結果、術前のvWF LMIは心エコーの平均大動脈圧較差(R=-0.4136、p=0.0498)と有意な中等度の負の相関を示した。術後のvWF LMIは術後1日、3日、14日目を除いて有意に術前より高かった(Friedman test: p=0.0088, Dann’s multiple comparisons test: pre vs. 0d p=0.0203, pre vs. 1d p=0.0983, pre vs. 3d p=0.1656, pre vs. 7d p=0.0001, pre vs. 14d p=0.4837, pre vs. 1m p=0.003, pre vs. 3m p=0.0117, pre vs. 6m p=0.0222, pre vs. 1y p=0.0289)。ASに伴うvWF LMIの低下は大動脈弁置換術により改善し、1年後も維持された。vWF LMIは大動脈弁狭窄症によるずり応力の重症度と、早期遠隔期までの治療効果を反映すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工心肺を使用した手術症例で、ポンプ自体で発生するずり応力の影響を解析するため、その程度を反映する指標の一つであるvon Willebrand factorのLarge multimer減少に我々は着目した。Large multimer減少を定量評価する指標として、国内の機関で提唱されたLarge multimer index (LMI)があるが、まずはこのvWF LMIの算出方法を確立し、実際に使用可能であるか検証する必要があった。今回は、当科の先行研究で収集した大動脈弁狭窄症患者23例を対象として研究を行った。術前(pre)、術直後(0d)、術後1日目(1d)、3日目(3d)、7日目(7d)、14日目(14d)、1ヵ月後(1m)、3ヵ月後(3m)、6ヵ月後(6m)、1年後(1y)の計10ポイントの採血検体を用いた。結果、術前のvWF LMIは心エコーの平均大動脈圧較差(R=-0.4136、p=0.0498)と有意な中等度の負の相関を示した。術後のvWF LMIは、術後1年目までフォローが可能であった19例で検討した結果、術後1日、3日、14日を除いて術前より有意に高かった(Friedman test: p=0.0088, Dann’s multiple comparisons test: pre vs. 0d p=0.0203, pre vs. 1d p=0.0983, pre vs. 3d p=0.1656, pre vs. 7d p=0.0001, pre vs. 14d p=0.4837, pre vs. 1m p=0.003, pre vs. 3m p=0.0117, pre vs. 6m p=0.0222, pre vs. 1y p=0.0289)。以上の結果から、vWF LMIはずり応力の影響の指標として用い得ることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記のようなvon Willebrand factorの解析手法を用いて、人工心肺によるずり応力の影響を定量評価する。現在はまだ検体収集の途中であり、検体が集まり次第順次解析を行なっていく予定である。その上で、その他のパラメータ(microRNAやVEGF)についても併せて解析を行い、相関等を調べて血管異型等の病態解明へ繋げていく方針である。
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