Project/Area Number |
23K08300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
坪地 宏嘉 自治医科大学, 医学部, 教授 (50406055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴野 智毅 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10648900)
小林 哲也 自治医科大学, 医学部, 助教 (40974499)
仁木 利郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (90198424)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 肺癌 / 微小転移モデル / 可視化 / 化学発光ライブイメージング |
Outline of Research at the Start |
微小転移の診断や病態の解明は治療成績向上に繋がる重要な課題であるが、今のところ臨床に直結する成果は十分ではない。その理由の一つとして、実際の転移を模倣するモデルが確立されていないことが挙げられる。最近我々は、マウス胸腔内への癌細胞移植後に両肺にごく微小の転移巣が発生することを見出した。しかしながら、従来の手法では転移の確認には解剖が必要であり、全ての微小転移を組織において同定することは困難であった。そこで化学発光システムAkaBLIと組織透明化技術CUBICにより、微小転移を生きた動物で経時的に検出するとともに、組織中の癌細胞を高解像度で確認できる動物モデルの確立を目的に本研究を計画した。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は進行肺癌の手術に積極的に取り組んでおり、予後の更なる改善を目指した集学的治療の意義について報告してきた。進行肺癌の治療成績向上のためには、術後再発の制御が重要な課題の一つである。術後再発を抑制する方策として術後補助療法が挙げられるが、その目的は微小転移巣の消滅ないし増殖の抑止である。最近では上皮成長因子チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)や免疫チェックポイント阻害薬といった新規薬剤による術後補助療法の有用性も報告されている。今後も多様な薬物について、術後療法における有効性評価の重要性が高まることが見込まれるが、主病巣摘出後は評価病変がなく、その効果判定は臨床試験に依存せざるを得ないのが現状である。 従来の微小転移モデルでは転移巣を生体で可視化することは困難であり、転移病巣を見出すためには動物の解剖が不可欠であった。このようなモデルでは経時的な薬物の効果判定などの解析は不可能である。微小転移を描出できる生体モデルが実現できれば、薬効の評価や微小転移に寄与する遺伝子の解析など幅広い応用が期待できる。また、微小転移巣は解剖後の組織でも同定困難であり、微小転移巣の新たな検出法の開発が期待されている。 マウスの胸腔内に肺癌細胞株を移植した後に、胸膜播種のみならず両肺の毛細血管やリンパ管内に数個単位で癌細胞の集塊が形成されることを見出した。この所見は我々がこれまで作成してきた心左室内投与による微小転移モデルに比べ、より早期の転移の病態を反映している可能性がある。このモデルをより安定して作成できるよう研究を進めてきた。その結果、一部のマウスには肺内の微小癌細胞集塊が形成されることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの胸腔内に肺癌細胞株を移植した後に、胸膜播種のみならず両肺の毛細血管やリンパ管内に数個単位で癌細胞の集塊が形成されることを見出した。この所見は我々がこれまで作成してきた心左室内投与による微小転移モデルに比べ、より早期の転移の病態を反映している可能性がある。このモデルをより安定して作成できるよう研究を進めてきた。その結果、一部のマウスには肺内の微小癌細胞集塊が形成されることが確認できた。 当初、微小転移モデルで使用してきた肺癌細胞株H441, HCC4006, ABC-1にレンチウイルスベクターを用いてAkaLucとVenusの融合蛋白質を発現させ、マウスを屠殺することなく化学発光ライブイメージングにより転移巣を観測することを計画していたが、安定した化学発光を観測するところまでには至っていない。 さらに、細胞移植後8週でマウスを屠殺解剖し、摘出した肺を脱脂・脱色試薬CUBIC-Lと屈折率均一化試薬CUBIC-Rにより透明化したのちに。ライトシート顕微鏡にて三次元イメージングデータを構築し、微小転移巣の三次元的な画像解析を行うことも予定しているが、その段階までには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの胸腔内癌細胞投与による微小肺転移モデルをより安定して作成できるよう、工夫を重ねる。さらに肺癌細胞株H441, HCC4006, ABC-1にレンチウイルスベクターを用いてAkaLucとVenusの融合蛋白質を発現させ、化学発光ライブイメージングによる転移巣の観測を実現する。 さらに、微小転移巣の三次元的な画像解析についても具体化する。
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