Project/Area Number |
23K08319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河北 直也 徳島大学, 病院, 講師 (60522266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 博明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40403745)
坂本 晋一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (30740675)
井上 寛章 徳島大学, 病院, 助教 (20792378)
笹 聡一郎 徳島大学, 病院, 特任助教 (30834915)
乾 友浩 徳島大学, 病院, 特任助教 (20894372)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | iPS細胞 / 癌幹細胞 / 肺癌 |
Outline of Research at the Start |
我々はマウスiPS細胞から気管支肺胞幹細胞(BASCs)への分化・誘導に成功し(iPS-BASCs)した。BASCs自体は終末細気管支領域~肺胞領域の局所幹細胞とされる一方で、肺腺癌にも存在し、活性化するとがん幹細胞化する可能性も示唆されている。がん幹細胞(CSC)は薬剤耐性および再発に関与し、今後、がん治療のさらなる予後改善において重要な標的細胞と考えられている。本研究では、iPS-BASCsをCSC化することで、 BASCsががん化するメカニズムを探り、 iPS細胞を軸に、がん幹細胞研究の発展に寄与することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年は、本研究において重要なステップである、マウスiPS細胞から誘導した気管支肺胞幹細胞(bronchioalveolar stem cells:BASCs)をがん幹細胞化することに取り組んだ。まず、これまで我々が行ってきた方法に基づき、マウスiPS細胞からEmbryoid bodyを作成後、培地をKGFを含む分化培地に変更して、接着培養を行い、計24日で分化を完了した。分化細胞に含まれるBASCsをSca1(+)/CD45(-)/CD31(-)の表面マーカーでソートし回収した。癌化のために、Lewis lung carcinoma LL/2 (LLC1)培養上清とともに培養した。この経過でiPS由来BASCsをがん幹細胞化する予定であったが、生着不良であり、また細胞増殖も非常に遅く、がん化が得られていない。BASCsを回収するタイミングを24日から短縮したり、延長することで、条件の異なったBASCsを用いたが概ね変化はなかった。また、BASCsの培養を馴化させるために、LLC1培養上清の割合も変更したが、幹細胞化したBASCsは得られなかった。実際に培養した細胞をBALB/c-nu/nuマウスに皮下移植したが、生着は確認できておらず、癌としての性質を持ったBASCsは得られていないと考えている。iPS細胞から直接がん幹細胞を誘導する方法を用いているが、iPS由来BASCsのがん幹細胞化に時間を要している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の第一段階である、iPS由来BASCsのがん化のステップに予想以上の時間を要している。理由の一つにはBASCs自体が非常に不安定な細胞であるため、in vitroでの長期の安定培養が難しいことが上げられ、培養の安定化の方法が必要である。また同じiPS由来BASCsであってもその活性状況が遺伝プロファイルによって異なっている可能性もあり、採取するBASCsのタイミングも再度検討する必要がある。以上のことから遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS-BASCsの安定培養がまず必要と考える。BASCsは幹細胞のため、幹細胞ニッチが維持培養に必要である。すでに我々は、iPS-BASCsの分化能評価のために、オルガノイド培養で1ヶ月程度の安定培養技術は得られており、オルガノイド培養からのBASCsのがん幹細胞化を試みる。また、既報のマウスモデルにおいてgprc5aのノックアウト(KO)下にNF-κB経路を介して、BASCsの活性化がおこり,100%の腫瘍形成が報告されている(Cancer Res 2022)。これをin vitroで再現するために、iPS-BASCsにCRISPR/Cas9システムを利用し、gprc5a-KO-iPS-BASCsを作成する。その細胞をさらにBASC培地にNF-κB活性化試薬であるprostratinやcalcimycinを添加することでがん化を目指す。
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