Project/Area Number |
23K08323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中司 交明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (40939899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 教授 (50420609)
朝重 耕一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (70457547)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
松本 桂太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404268)
町野 隆介 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (90728081)
森山 正章 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90815953)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 細胞プラグ / 気管支瘻 / バイオ3Dプリンタ |
Outline of Research at the Start |
難治性気管支瘻は、肺切除術後、重症肺炎などに合併する疾患で、患者のQOLを著しく低下させる。様々な治療法が施行されているが、根本的治療はない。難治性気管支瘻に対する瘻孔閉鎖の新たな方法として、幹細胞で作製した細胞プラグを瘻孔部に挿入し、局所に細胞塊を留めることで気管支を閉鎖する新たな治療法を開発した。ラット自己細胞による細胞プラグが、ラットモデルの気管支閉鎖を可能にすることを明らかにし、その有効性を証明した。 本研究では、細胞プラグを用いた難治性気管支瘻に対する治療法を発展させ、臨床応用に向けた研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
難治性気管支瘻は、罹患すると著しく患者の生活の質(QOL)を低下させ、罹患する患者の状態がよくないことも合わせ、その死亡率は高い。主な病態は、気管支瘻による有瘻性膿胸であり、気管支瘻を閉じることにより無瘻性膿胸となれば、治癒率は格段に向上する。気管支の閉鎖療法として手術があるが、侵襲が大きく、低栄養の患者が多いため成功率は低い。気管支鏡的治療法は比較的負担が少なく、様々な治療法が報告されているが、決定的な治療法はない。 我々はこれまで細胞を凝集させ、バイオ3Dプリンターを用いて、立体の人工臓器を作製してきた。気管、食道、小腸、尿管を作製し、移植および生着に成功した。このことから細胞を立体構造として作製でき、ばらばらの細胞ではなし得ない構造化が可能である。この細胞による構造化はこれまで困難とされたが、この技術を用いることで、新たな治療法の開発が可能である。とくに呼吸器領域は感染のリスクが高く、細胞のみから作製された構造体は感染のリスクが低い。 本研究の目的は、気管支瘻の閉鎖を目的とした、細胞凝集塊による細胞プラグの作製、臨床応用である。 そのための中期目標としては、複数のヒト幹細胞によるプラグ作製の比較検証と新たなDDSの効果検証(①ヒト骨髄幹細胞、ヒト脂肪幹細胞およびヒトiPS細胞を用いた細胞プラグ作製と比較評価、②ゼラチンマイクロスフェア(Drug delivery system; DDS)を用いた成長因子の付加による細胞プラグ作製の評価)、大型サイズ細胞プラグ作製とカーボンナノチューブによる品質向上の評価(①大型サイズの細胞プラグ作製と評価、②CNTsを用いた細胞プラグの有効性検証)、大動物を用いた細胞プラグの有効性の評価(①大動物を用いた気管支閉鎖における細胞プラグの有効性の検証、②シリコンプラグを用いた気管支断端モデル作製と細胞プラグの有効性検証)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで使用してきた骨髄幹細胞を基本として、臨床応用も考慮に入れた様々な幹細胞による検討を行っている。ヒト骨髄幹細胞、ヒト脂肪幹細胞、ヒトiPS細胞を用いたプラグ作製と評価中であり、細胞プラグ用の幹細胞としてどれが最も生物学的効果が高いかを検証中である。検証には、作製した細胞プラグをNudeラットの気管支に移植し、閉塞効果の程度を評価している。移植後4, 8, 16wの組織学的検査(HE染色)、免疫染色(Vimentine,CD31,PCNA,TUNEL染色など)、閉鎖率の算出中で、データを蓄積中である。 また、大型細胞プラグ作製に向けた細胞プラグの品質向上の基礎実験中であるが、現在のところこれらへの対応として、成長因子を徐放するDDSとしてゼラチンマイクロスフェア(GM)を試みている。GMは、ミネラルコートされたもので、DNAや増殖因子を把持し、徐々にDeliverできるDDSの一つである。これにVEGF,FGF-2,TGFβなどを用いることで強度の向上が可能となった。また、この実験で得られた幹細胞を用いて作製した細胞プラグをNudeラットの気管支に移植し、閉塞効果の程度を評価中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在得られた幹細胞を用いたプラグを大型にする実験を予定している。具体的には、ヒトおよび大型動物用の大型サイズ細胞プラグの作製および評価を行うため、直径が2mm, 3mm, 5mmのプラグを作製し、組織学的評価、力学的評価を行う。また、Nudeラットの皮下に移植し、生体内での評価を行う予定である。
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