Project/Area Number |
23K08359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田口 真也 神戸大学, 医学部附属病院国際がん医療・研究センター, 特命助教 (50803855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 有紀 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60643955)
溝渕 知司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70311800)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 全身麻酔薬 / 局所麻酔薬 / 筋弛緩薬 / アセチルコリン受容体 / 麻酔 / 筋弛緩 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではシビレエイの電気器官からニコチン性アセチルコリン受容体を抽出し、筋弛緩薬および全身麻酔薬と相互作用させた状態で標本を作成し、クライオ電子顕微鏡解析によって電子密度図を得る。シビレエイのニコチン性アセチルコリン受容体のアミノ酸配列情報を利用してアミノ酸の分子構造を電子密度図に当てはめ、コンピューター上で分子構造モデルを再構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
麻酔の三大要素は鎮痛・鎮静・筋弛緩とされ、近年はそれぞれの作用を担う別々の薬剤を使用して麻酔を調節するバランス麻酔が主流となっている。このうち筋弛緩薬は神経筋接合部に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に結合して神経筋伝達を遮断することで筋弛緩作用を生じるが、筋弛緩薬は種類によって結合部位が微妙に異なることが知られており、詳細なメカニズムは解明されていない。一方、鎮静作用を主目的とする吸入麻酔薬などの全身麻酔薬は3つの作用を併せ持つことが知られているが、筋弛緩作用をきたすメカニズムについてはほとんど知られていない。 近年、全身麻酔薬の作用機序は主に脳内におけるGABAA受容体の活性化とnAChRの抑制によるものであることが知られるようになった。したがって全身麻酔薬が神経筋接合部のnAChRに結合する可能性も十分考えられる。さらに筋弛緩薬は全身麻酔薬との併用により作用が増強することから、筋弛緩薬と全身麻酔薬とではnAChRにおける結合部位が大きく異なることが予想される。 本研究の目的は申請者がもつ分子構造学的解析手法を用いてnAChRの構造を解析することによって筋弛緩薬および全身麻酔薬分子の結合部位を特定し、それぞれの作用が生じる分子メカニズムを明らかにすることである。分子メカニズムを明らかにすることができれば、副作用のない理想的な筋弛緩薬および全身麻酔薬の創薬につながることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和5年度は臨床業務が多忙を極めたため、研究時間を確保することができなかった。 令和6年度からは研究時間を確保できたため、共同研究施設との共同研究を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、シビレエイの電気器官からニコチン性アセチルコリン受容体を精製する作業には成功している。 今後は受容体精製の精度を高め、受容体単体のクライオ電子顕微鏡による分子構造解析を目指す。 受容体単体での分子構造解析が可能になれば、麻酔薬や筋弛緩薬を作用させた状態の受容体の分子構造解析を行い、それぞれの作用が生じる分子メカニズムを明らかにしていく。
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