Project/Area Number |
23K08394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
奥村 陽子 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (40319207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 やよい 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00202903)
永井 亜希子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40360599)
奥田 真弘 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (90204130)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 全身麻酔後脳障害 / 乳幼児 / セボフルラン / クロニジン |
Outline of Research at the Start |
乳幼児期の長時間や複数回の全身麻酔経験は成長後に学習障害をきたすことがげっ歯類と霊長類で報告されている。そのため米国食品医薬品局は、3歳未満の子供への麻酔薬の反復または長期使用は脳の発達に影響を与える可能性があると警告している。しかし、乳児期から複数回の全身麻酔が必要な子供は少なくない。α2受容体作動薬クロニジンは麻酔薬による脳障害を予防する可能性についてげっ歯類で報告されている。本研究では、全身麻酔後脳障害のクロニジンによる抑制効果を明らかにすることを計画している。
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Outline of Annual Research Achievements |
乳幼児期の長時間や複数回の全身麻酔経験は成長後に学習障害をきたすことがげっ歯類と霊長類で報告されている。α2受容体作動薬クロニジンは麻酔薬による脳障害を予防する可能性についてげっ歯類で報告されている。そこで本研究では、全身麻酔後脳障害のクロニジンによる抑制効果を明らかにすることを計画している。 以前我々は、Lian ら(J Mol Neurosci,65:507-513,2018)の投与量を参考に1mg/kgの高用量のクロニジンをセボフルラン麻酔に併用したところ、マウスの麻酔中の死亡や、麻酔直後の海馬歯状回の脳神経アポトーシス細胞数の増加が確認された。そこで研究初年度は、クロニジンの投与量をE. Ponten ら(Acta Anaesthesiol Scand 2012; 56: 1058-1065)の報告を参考に減じてセボフルランに併用した。その結果、セボフルラン麻酔にクロニジンを併用することでマウスの麻酔中の死亡を生じず、海馬歯状回の脳神経アポトーシス細胞数はセボフルラン単剤麻酔より減少した(p<0.05。各群11個体、未発表データ)。その麻酔中の経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を実験小動物用パルスオキシメータ―MouseOx PLUSで測定したところ、セボフルランにクロニジンを併用した個体はSpO2の低下は認められなかったが、脈拍数の低下が認められた。 以上から、令和5年度に予定した「①21日令のマウスのセボフルランによる長時間の麻酔直後の海馬歯状回の脳神経障害に対するクロニジンによるアポトーシス抑制効果の検出」は、クロニジン前投薬と術中追加投与で確認できた。また、パルスオキシメータ―の装着により、検出した海馬歯状回の脳神経のアポトーシスは、低酸素血症によるものでないと判断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は、「①21日令のマウスのセボフルランによる長時間の麻酔直後の海馬歯状回の脳神経障害に対するクロニジンによるアポトーシス抑制効果の検出」を行った。以前我々は、1mg/kgの高用量のクロニジンをセボフルラン麻酔に併用したところ、マウスの麻酔中の死亡や、麻酔直後の海馬歯状回の脳神経アポトーシス細胞数の増加が認められた。これはクロニジンの過量投与による高度徐脈、低血圧、低体温、無呼吸等によると考えられた。そこで研究初年度は、まずE. Ponten ら(Acta Anaesthesiol Scand 2012; 56: 1058-1065)の投与量を参考にクロニジンを減量し、それをLian らの投与方法を参考に麻酔開始30分前、麻酔開始2時間後、麻酔開始4時間後に分割投与した。この麻酔管理法で、マウスの麻酔中の死亡を生じず、海馬歯状回の脳神経アポトーシス細胞数はセボフルラン単剤麻酔と比較して有意に減少した(p<0.05。各群11個体、未発表データ)。その麻酔中の経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数は、実験小動物用パルスオキシメータ―MouseOx PLUSにより頸動脈で測定した。麻酔中のSpO2と脈拍数は定時測定し、麻酔管理法による差がないことの調査を試みているが、仔マウスの頸部で脈拍を安定して検出することができないことがあり、解析が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
「①21日令のマウスのセボフルランによる長時間の麻酔直後の海馬歯状回の脳神経障害に対するクロニジンによるアポトーシス抑制効果の検出」は確認できたので、その麻酔中のSpO2と脈拍数を安定して測定する方法を確立する。「②21日令のマウスの海馬歯状回の新生神経に対するクロニジンのアポトーシス防御機序を解明する」ため、海馬歯状回で放出される脳神経伝達物質、活性型ミクログリア、炎症性サイトカインを特異的抗体で検出し、クロニジン投与による変化量について解析する。
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