Project/Area Number |
23K08407
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白川 尚隆 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60895150)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | tetranor-PGDM / プロスタグランジンD2 / 周術期せん妄 / PGD2 / tetranor PGDM |
Outline of Research at the Start |
周術期せん妄の発症は、入院日数の延長、認知機能の悪化、周術期死亡率の増加などと関連することが知られている。 せん妄の発症機序は、全身性の炎症や、血液脳関門の破綻が関与していることが報告されている。 これら二つの機序に伴う中枢神経系の炎症に関して、神経保護作用を持つプロスタグランジンD2(PGD2)の過剰生成が関与していることが明らかになってきており、せん妄との関連が示唆されている。 しかし、PGD2と神経炎症の関与が疑われるせん妄との関係を裏付ける臨床研究はこれまで行われていない。 本研究は周術期せん妄とPGD2の関連性を調べることにより、せん妄の早期発見、早期診断及び発症予防を目指した研究である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は周術期せん妄の新しいバイオマーカーとしてプロスタグランジンD2(PGD2)が利用できるか、という疑問点に着目した研究である。ただPGD2そのものを直接測定することは現在の技術では不可能であるため、その主要な代謝産物である、11,15-Dioxo-9α-hydroxy-2,3,4,5-tetranorprostan-1,20-dioic acid (tetranor-PGDM)を測定することでPGD2の測定の代用を行う研究計画で研究を開始した。 tetranor-PGDMの測定は、Cayman Medical Companyより酵素免疫染色法を用いた測定キットが販売されており、尿中サンプルを使用して測定が可能なため、測定法を確立する目的で、キットの購入を行い、研究者自身の尿サンプルを用いて測定を実施した。ただ現時点で測定技術が未熟であることが原因ではあるのだが、測定値にばらつきが大きくあり、研究の測定値としては利用できない現状である。 tetranor-PGDMの測定に関しては今後の課題であるが、副次評価項目として測定予定のS100Bに関しては、当院で行っている他研究において、ELISAキットを用いた測定を行っており、その測定方法に関しては確立されている。 当院の倫理委員会への承認の準備も進めているが、まだ承認には至っておらず、可及的速やかに倫理委員会への承認も得ることが必要となっている。その中で、他研究において、本研究と同様に術後48時間集中治療管理が必要な患者を対象としている研究もあるが、当院のICUの病床運用から、48時間以上集中治療管理を行う術後患者の数も減少してきており、本研究の対象患者の項目において、プロトコールの見直しを検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初はtetranor-PGDMの測定を安定して行えることを前提とし、症例の集積までの準備を整えるのが初年度の目標であったが、実際は測定自体を安定して行えていない現状であり、上記の区分とさせていただいた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後測定技術を習得するべく、tetranor-PGDMの測定を実際に行い、研究を実施している施設への協力を仰ぐ予定である。 それでも困難な場合は、研究計画書に記載している、東京大学大学院農学生命科学研究科、応用動物科学専攻教室にアポイントを取り、実際に測定キットではなく、酵素免疫測定法の機材を現地で拝借し、その測定を行うことも考慮しなければならないと考える。
|