Project/Area Number |
23K08459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
齋藤 雅史 帝京大学, 医学部, 助教 (80826321)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 敗血症 / うつ / ミクログリア / CD4+T細胞 / IL-4 / 敗血症性脳症 / 精神障害 / T細胞 / 神経新生 |
Outline of Research at the Start |
多くの敗血症生存者に長期的な精神障害が認められる。この病態解明と治療方法の確立のため、脳に増加するT細胞に着目し、敗血症マウスの精神障害の回復にTh2細胞が寄与しうることを示唆した。一方、近年の研究において、IL-4依存的に増加するミクログリア(IL4R+Arg1+ミクログリア)が、減少した神経細胞の再生を促進し(神経新生)、精神障害の回復に寄与することが分かった。本研究は、敗血症後の脳内Th2細胞が、IL4R+Arg1+ミクログリアへの分化、および神経新生に与える影響を明らかにすることで、現状、問題となっている敗血症患者の長期予後の改善に貢献することを指向した研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
うつ様行動が回復した敗血症マウスの脳についてRNA-seqを行い、データの解析を進めた。その結果、対照として設定したHealthyマウスと敗血症誘導から30日目でうつ様行動が回復した敗血症マウスでは、Differentially Expressed Genes(DEG)がほとんど検出できなかった。同様に、CD8+T細胞を欠損させた敗血症マウス(αCD8敗血症マウス)においても、敗血症誘導から30日目にはうつ様行動が回復していた。その一方で、IL-4の産生源として推測したCD4+T細胞を欠損させた敗血症マウス(αCD4敗血症マウス)では、Brain Derived Neurotrophic Factor(BDNF)の顕著な減少を認めた。この結果はreal-time PCRによっても確認でき、また、mRNAレベルでのIL-4の減少も確認することができた。 これらの結果は、敗血症後のうつ様症状の回復にCD4+T細胞が関与していることを強く支持するものであり、CD4+T細胞由来のIL-4が関与することでBDNFの産生が促されることを示唆している。うつ患者において脳中や血中のBDNFが減少していることは周知の事実であるほか、トリプトファン代謝がうつの病態に関与することが知られていることから、今後はこの経路における遺伝子発現パターンを解析する予定である。 さらに、脳に増加するCD4+T細胞がどこから浸潤してきたかを明らかにするため、敗血症誘導後における頸部リンパ節のT細胞動態、およびサイトカインの解析を行なった。その結果、同リンパ節におけるC-X-C motif chemokine receptor 3 (CXCR3)陽性のCD4+T細胞の増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNA-seqの解析において、R言語やPhythonなどを用いた解析手法の習得に時間がかかっているため、当初の予定よりは遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-seqの解析におけるバイオインフォマティクスの基本的な知識や手法は習得しつつあり、ビッグデータにおけるサンプルの特徴の抽出やgene ontology解析、pathway解析などが解析できるようになった。うつの増悪にはトリプトファン代謝のうちのKynurenine pathwayが関与する。よって、今後はこの経路をバイオインフォマティクスを用いて解析するのに加えて、western blotや免疫染色を行い、タンパクレベルでの議論を展開したいと考えている。また、ミクログリアの培養細胞株や初代培養系の確立し、敗血症後のミクログリアとIL-4の直接的な影響を解析したいと考えている。
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