Project/Area Number |
23K08471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
村上 博基 兵庫医科大学, 医学部, 病院助手 (20890817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
井上 岳人 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30772652)
小濱 圭祐 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50595171)
山田 太平 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00465684)
平田 淳一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50509057)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 好中球細胞外トラップ / Sスパイク蛋白 / エクオール |
Outline of Research at the Start |
本研究はCOVID-19肺炎の重症化を抑制する方法として女性ホルモン類似物質の有効性を明らかにする。 好中球細胞外トラップは外来抗原の全身波及を阻害する。重症COVID-19では過剰なNETs形成が合併症・死亡率と関連する。COVID-19において閉経前の女性では感染率と死亡率が男性よりも少ない報告があり、女性ホルモンは重症化や死亡を抑制すると考えられている。我々はヒト好中球のNETs形成を女性ホルモン類似物質が抑制することを発見した。女性ホルモン類似物質がCOVID-19肺炎の重症化抑制・軽減に有効であるかをin vitro, in vivo実験系で検証し、新規治療法の開発の礎を築く。
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Outline of Annual Research Achievements |
好中球は貪食能を持ち、細菌の排除に強力な効果を持つ免疫細胞であると長年考えられてきた。2004年に好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps; NETs)が報告され、NETsという自己のDNAと細胞内蛋白を細胞外に放出して大きな網を張り、細菌だけでなくウイルスも含めた種々の外来抗原の感染創からの波及を抑制する働きがあることが明らかとなった。一方で、NETsは細胞内の物質を撒き散らすことによって血管内皮障害を引き起こし、臓器障害の原因となることが報告されている。申請者は三次救急施設にて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるコロナウイルス関連疾患(COVID-19)患者治療にあたる中で、当該疾患がウイルス性感染症にも関わらず好中球数の増加が多々見受けられる病態であることを経験した。また、COVID-19肺炎の重症化や死亡率には性差が報告されており、女性は重症化や死亡率が低い可能性が指摘されている。本研究は、SARS-CoV2によるCOVID-19の重症化病態に女性ホルモン類似物質(エクオール)が有効な治療法となり得るかの基礎的データを構築することである。特に、自然免疫を担う好中球機能の制御、具体的には過剰なNETs形成の抑制に着目し、SARS-CoV-2 S蛋白刺激によるNETs誘導をエクオールが抑制できるかについて検討する。 令和5年度(2023年度)の予定では、ヒト好中球を用いた培養系で女性ホルモン類似物質の直接的なSARS-CoV-2 S蛋白誘導性NETsへの影響を確認し、機序を検討することを目標としていた。当初はスパイク蛋白であるS蛋白によるNETs誘導が効果的であると考えていたが、実際にはS蛋白だけでなく、その他の蛋白(エンベロープ、核酸、グリコプロテイン)についてもNETs誘導の有無について検討した。現在、それらの蛋白によるNETs誘導に差があるかについて検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、SARS-CoV-2のS蛋白がヒト好中球をNETsへ誘導すると考えていたが、S蛋白では、予想よりNETs誘導が弱かった。そのため、SARS-CoV-2の他の蛋白についてのNETs誘導に関しての検討を追加した。
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Strategy for Future Research Activity |
その他の蛋白(エンベロープ、核酸、グリコプロテイン)についてもNETs誘導の有無について検討し、それらの蛋白によるNETs誘導をエクオールが抑制するかを検討する。動物実験に関しては、in vitroの実験でエクオールのNETs抑制効果を確認した後に実施する方針。
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