Project/Area Number |
23K08530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
長谷川 雄 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (40599114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | くも膜下出血 / 動脈瘤 / 再出血 / ラット / 交感神経 |
Outline of Research at the Start |
くも膜下出血(SAH)後再出血は独立した予後増悪因子であり、再出血後の脳を如何に守るかが重要となる。本研究仮説を前臨床的に検討するべく、SAH後再出血動物モデルを用い、再出血後の重度血管攣縮に続く相乗的脳虚血反応を明らかとするとともに、主役となる中枢性交感神経活性化修飾因子Xを特定し予後との関連を調べる。さらに、因子Xに着目した予防治療の再出血後脳損傷に対する保護効果を調べる。本研究成果は、SAH患者の再出血に対する予防的脳保護治療薬開発へ展開できる基盤研究となることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)くも膜下出血後再出血の超急性期血管毒性:10週齢のオスSDラットをコントロール群、SAH群、SAH再出血群の3群に分けた。尾動脈を確保し自家血200μLを視交叉槽に注入することでSAH群を作成、SAH再出血群はさらに5分後150μL注入した。コントロール群はprechiasmatic cisternへの注射器留置のみ行った。注入完了した後5分静置の上閉創した。30分後梁歩行試験にて神経所見を確認し、続けて深麻酔下に液体ラテックスを用いた血管撮影法を行い主幹動脈の血管径を計測した。その結果、コントロール群と比べ、梁歩行試験のスコアはSAH群、SAH再出血群で有意に低下した。主幹動脈の有意な狭窄(脳血管攣縮)はSAH群でのみ主に認められ、重度の狭窄が起こると仮説を立てていたSAH再出血群では予想に反してその狭窄は軽度であった。
2)脳保護治療薬の効果検討:「バルビツレート漸減療法はくも膜下出血後再出血に対する機能障害を軽減する」:10週齢のオスSDラットに対し、上述の如くSAH後再出血モデルを作成した(本研究では再出血量として100μLを選択した)。バルビツレートの漸減投与を行うべく、SAH後イソゾールまたは対照群としての蒸留水をミニポンプに充填し腹腔内に留置、1日毎に3mg→2mg→1mg/kg/hrの投与を行い、SAH1日後と3日後の神経学的所見を計測した。その結果、バルビツレート漸減投与はSAH後再出血による機能障害を軽減した(一次評価項目)。またバルビツレート投与により脳水分含量の増加、神経細胞障害、マイクログリアの発現は有意に抑制された(二次評価項目)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)SAH後再出血の超急性期血管毒性:令和5、6年度の2年間で検討予定としている病態研究について、コントロール群、SAH群、SAH再出血群の3群間での血管攣縮と機能予後評価が終わった。研究仮説としてSAH再出血では血管の重度狭窄が認められると考えていたが、予想に反してSAH群と比べ血管狭窄はかえって軽減しており、それを裏打ちする結果が認められるかさらなる表現型やメカニズムを今後探求する予定である。 2)脳保護治療薬の効果検討:過去に我々が外傷性脳損傷の患者に対して有効性を報告したバルビツレート漸減療法について、リバーストランスレーショナルリサーチとして本モデルに応用、SAH後再出血に対する治療薬としての可能性を検討した。その結果良好な保護効果を確認した。本研究成果を啓蒙活動の一環として国内学会で発表した上で現在国際誌に投稿中である。 3)SAH再出血モデル:本研究を申請するにあたり、既存のモデルを応用しラットSAH再出血モデルを新たに開発、現在特許出願中である。
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Strategy for Future Research Activity |
SAH後再出血の超急性期血管毒性:遅発性の表現型を確認する。具体的には、SAH後再出血モデルにおいて血管径を計測した上でTTC染色を行い、遅発性脳虚血の広がりを確認する。研究仮説に従い、中枢性交感神経関連因子に加え、エンドセリン、アンギオテンシンII、バゾプレッシンを始めとする血管収縮物質やその受容体の発現量を必要に応じて定量化し、SAH後再出血の病態との関連性を調べる。さらにはリコンビナントタンパク等を投与し脳保護治療薬の可能性を探求する。将来的な実臨床への応用を鑑み、予防的脳保護治療薬としてSAH後~再出血の間に投薬を開始し効果が認められるか検討する。これらについて有意な研究結果が出た場合は、国内・国際学会での発表や国際誌への投稿を行い、積極的に成果発表を行う。
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