Project/Area Number |
23K08542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 一寛 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70467661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 宏明 神戸大学, 医学研究科, 助教 (00794950)
篠山 隆司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10379399)
高橋 政友 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (30844419)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 膜脂質代謝 / 低酸素 / グリオーマ |
Outline of Research at the Start |
悪性グリオーマの腫瘍細胞が低酸素環境に適合するための膜脂質代謝リモデリングとその細胞膜の機能解析および分子メカニズムを明らかし、悪性グリオーマの腫瘍内代謝環境が不均一であり、治療抵抗性や再発・転移の温床となる低酸素環境下のグリオーマ細胞の特性を解明する。低酸素状態のグリオーマ細胞にもたらされる膜脂質代謝リモデリングに着眼し、特定のリン脂質の生合成経路やそれらを構成する脂肪酸の違いによる分子種の変化を解析し、関連する代謝遺伝子の同定などを検討し、効果的な治療ターゲットを模索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
悪性グリオーマでは網羅的DNA解析の発達によって多くの遺伝子異常や癌シグナル経路が 明らかとなってきたが、細胞内代謝に関する分子生物学的メカニズムは不明な点が多い。特に、腫瘍微小環境における酸素・栄養状態はグリオーマ細胞の悪性化や治療抵抗性の獲得に繋がると考えられる。本研究では低酸素環境下のグリオーマ細胞の膜脂質代謝変化(リモデリング)を明らかにすべく、リピドーム解析や分子生物学的解析で、細胞膜を構成するリン脂質やコレステロール、脂肪酸の組成変化および機能解析を行うことである。また、悪性グリオーマに対する標準的治療薬であるテモゾロミド(アルキル化剤)はDNA損傷によりアポトーシスを誘導するが、低酸素環境下においてグリオーマ細胞が治療抵抗性を獲得する機序について、膜脂質代謝の変化に着目して細胞膜の機能を解明する。 グリオーマ培養細胞(U87およびT98グリオーマ細胞)を用いたリピドーム定量分析法では、低酸素状態においてコレステロールやホスファチジルセリン(PS)やホスファチジルエタノールアミン(PE)の含有率が増加していた。また、ホスファチジルコリン(PC)の含有率は変化しないが、リン脂質の疎水性尾部を形成する2本の脂肪酸について不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸の割合が増加していた。また、膜脂質代謝に関与する遺伝子発現解析をリアルタイムPCR法やWestern blot法で行い、低酸素によって飽和脂肪酸を含むホスファチジルコリン(PC)の生合成に強く関与するリゾリン脂質アシル転移酵素LPCAT1の発現が増加していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LPCAT1の遺伝子発現抑制試験を企図しているが、プラスミドの効率が悪く効率的な遺伝子発現抑制実験を行うことが出来ていない。今後は他社のプラスミドの効果も検証しながら、研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遺伝子操作によるLPCAT1発現抑制や発現過剰を行い、低酸素状態のグリオーマ細胞に及ぼす影響を機能解析する予定である。また、手術によって得られたグリオーマ患者の組織検体を利用して、LPCAT1やHIF1の発現やその領域、悪性度との相関など検証していく予定である。
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