慢性硬膜下血腫の潜在性病態:疾患横断的な分子概念の証明と革新的低侵襲治療開発
Project/Area Number |
23K08549
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高瀬 創 横浜市立大学, 附属病院, 特任准教授 (00549975)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 慢性硬膜下血腫 / 分子病態 / 分子概念 / 低侵襲治療 |
Outline of Research at the Start |
慢性硬膜下血腫(CSDHa)は,高齢者の代表的中枢神経疾患である。CSDH はこれまで予後良好と考えられてきたが、近年、神経機能の増悪因子であることが示されつつある。一方で、CSDHの有効な治療法は長年に渡り、高率に再発を伴う外科手術に限られている。CSDHに対する低侵襲治療法の開発は、極めて重要な世界的な課題である。 CSDHの分子病態知見は多くが未知であり、非手術治療開発の遅れる要因となっている。本研究では、Reverse-translational researchを通じて、CSDHにおける硬膜内の分子メカニズムの証明を目指し、革新的な低侵襲治療法の創出に向けた学術基盤の構築を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
慢性硬膜下血腫は,高齢者の代表的中枢神経疾患である。これまで予後良好な疾患と考えられてきたが、近年の大規模研究で神経機能の増悪因子であることが示された。慢性硬膜下血腫の患者数は、昨今の世界的な人口高齢化に伴って急増中である一方で、現在その有効な治療法は再発と罹患期死亡が高率な外科手術に限られている。本研究は、臨床現場のみならず医療経済的にも極めて重要な世界的な課題である「慢性硬膜下血腫に対する低侵襲治療法の開発」の基盤となりうる分子概念の証明と学術基盤の構築を目指すものである。 3年間の研究期間において、令和5年度は臨床研究における対照群・慢性硬膜下血腫群の情報・検体回収を、令和6年度はその検体の分子生物学的解析を、令和7年度は解析内容に基づいた新たな実験系の創出とそれに基づいた治療実験を想定している。 本年度は、予め倫理申請が得られていた臨床研究を実施した。時間外対応などの要素から、想定していた同意取得割合に達しなかったことで、症例数は予定よりもやや少数ではあったが、問題なく症例登録を終了することができた。令和6年度以降に予定している研究内容の準備も並行して行なっていたことで、研究はほぼ遅滞なく進行している。今後2年間で上記研究目的の達成に近づくべく情報と検体の解析を行い、革新的な低侵襲治療法開発の基盤となりうる分子概念の証明を試みる。また、関連する学術的な問いに関しても積極的にアプローチして、副次的な学術成果として発表していきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予め当院にて倫理承認を得ていた臨床研究を実施した。前向きに症例群・対照群の情報・サンプルを収集・採取した。また、前向きの症例数を最小限とすべく、後ろ向き症例も組み込むことで、組織標本の数を確保した(後ろ向き前向き観察研究)。その中で、平日日中の時間外に手術となった症例については、患者説明と同意に十分な時間を割くことが困難であることが多かったため、前向きの症例数は当初の想定(後-30 例/前-65 例,陽性対照 10 例/陰性対照 45 例/CSDH40 例,合計 95 例)よりも少数となった(同意取得割合が想定よりも低かった)。介入研究などで想定治療効果を元に算出した症例数設計とは異なり、本研究は探索的な要素の強い観察研究であるため、研究期間を優先して症例登録を終了することとした。令和6年度には、当初の予定通り、上記で得られた検体の分子生物学的な解析を行なう予定としている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には、当初の予定通り、前述の観察研究で取得した検体の分子生物学的な解析を行なう予定としている。令和7年度は解析内容に基づいた新たな実験系の創出とそれに基づいた治療実験を想定している。 本年度は、令和6年度以降に予定している研究の準備も並行して行なった。今後の2年間において、研究目的の達成に近づくべく情報と検体の解析を行って革新的な低侵襲治療法開発の基盤となりうる分子概念の証明を目指す。 上記の臨床研究では、今回得られた情報・検体の2次利用も含めた形で倫理承認を得ている。これに基づいて、今後は関連する学術的な問いに関しても積極的にアプローチして、副次的な学術成果として発表していきたいと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)