Project/Area Number |
23K08552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大石 英則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 客員教授 (60255685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 達郎 東洋大学, 理工学部, 教授 (20588347)
加藤 和則 東洋大学, 健康スポーツ科学部, 教授 (60233780)
石原 一彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任教授 (90193341)
三島 有美子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (90459082)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 新世代バイオミメティック素材 / 催血栓性抑制素材 / MPCポリマー / 脳血管内治療デバイス / フローダイバーター / 催血栓性抑制 / 血管内皮細胞再生促進因子 |
Outline of Research at the Start |
脳血管内治療を受ける患者は、周術期長期にわたり抗血小板剤2剤の内服を余儀なくされる。これは、周術期の血栓塞栓性合併症の予防や治療後に安定した血管内皮細胞の形成を促すためであるが、長期間のDAPTは、10から20%の患者に血小板凝集能の過剰抑制が認められ、あらゆる出血性合併症のリスクを伴う。 本研究では、催血栓性抑制素材であるMPCポリマー技術を基盤として、より高い効果をもつ新たな催血栓性抑制素材の探索、およびそれを用いたデバイスの被覆材料・技術開発を目的とする。さらに、“材料工学”と“細胞機能学”との融合による学術領域を構築し、より低侵襲な脳血管内治療術を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
フローダイバーターなどの血管内治療デバイスは血流を遮断,停滞させることにより治癒をもたらすとされ,その治癒率はおよそ 70% と高い.その一方で,脳血管内治療を受ける多くの患者は,周術期にわたり,抗血小板薬 2 剤の服用を余儀なくされる.服薬が長期間になると,血小板凝集能の過剰抑制を来し,出血性合併症のリスクを伴う. 生体膜中のリン脂質極性基を側鎖に有する 2-Methacryloyloxyethyl phosphorylcholine (MPC)モノマーは他のモノマーと 共重合させることで,様々な機能を持ったリン脂質模倣高分子を合成することができ,耐生体汚染性と生体親和性に優れるという特徴を有する.今年度はまず、ポリマー技術を基盤として、血栓形成を抑制し、かつ異なる機能を導入する新世代バイオミメティック材料の探索を行った。生体埋入初期に血栓形成を抑制し、中長期には内皮細胞の伸展を促進するような、界面の創製を目指す。抗血栓性と内皮化誘導、という一見相反する性質を兼備させるために、新たな抗血栓作用素材poly(MPC-random-DMA) (PMD) の合成と各種キャラクタリゼーションをおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、接着性に優れているムール貝の足タンパク質ファミリー に含まれる L-3,4-dihydroxyphenylalanine (DOPA) を側鎖にもつN-(3,4- Dihydroxyphenethyl) methacrylamide (DMA)モノマーを用いることで,湿潤環境でも剥離しない高分子共重合体の合成を試みた.モノマーの仕込み比MPC/DMA=90/10 (mol/mol),総モノマー濃度は0.5mol/L,開始剤AIBNはモノマーの1 mol%,Methanol (MeOH)/N,N-Dimethylformamide=2/8 (vol/vol)の混合溶媒が全量 20 mL になるよう調製をおこなった.各種PMDの合成評価は 1H-NMRにて組成評価,FT-IRにて各モノマーに存在する官能基の評価,GPCにて分子量の評価をおこなった.PMD90 の合成評価に関して,1H-NMRより,MPC 由来のピークは 3.6-3.7 ppm 付近 (2H),DMA 由来のピークは 6.7-6.9 ppm 付近 (3H)に見られ、解析の結果, MPC/DMA=95/5 (mol/mol)となり,おおよそ仕込み通りの組成比が得られた.GPC 測定により算出された数平均分子量 Mn は 1.73×10^4 ,重量 平均分子量 Mw は 3.23×10^4 であった.またPMD 修飾基板表面はいずれも親水性となり,修飾に成功したことを確認した.PMD80 を修飾した基板では DPBS 浸漬後も最低 2 日間は 30°以下を維持した.一方で,他の修飾基板では修飾が剥がれ,疎水性の金属板表面が露出したとことも確認された.今後は合成時の機能化ユニットの導入により,再内皮化促進能力付与など,さらなる高機能化の素材開発が期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、新世代バイオミメティック素材の効果判定を目指す。抗血小板剤や抗凝固剤(ヘパリンなど)を必要としない脳血管内治療デバイス開発のためのナノスケールでの表面処理技術を確立する。フローダイバーター表面の動的界面構築については以下の方法で検討を進める。まず、モデル金属試料にポリマー複合材料を被覆して、既存の物理化学的な表面分析法を用いて行う。次に、In vitroでの抗血栓性または内皮細胞接着性の評価を行う。抗血栓性に関しては、血液凝固測定装置(Sysmex)を用いて評価する。なお、内皮細胞接着性に関しては、フローダイバーター上の内皮細胞の接着関連分子(細胞外および細胞内)の発現変化を共焦点レーザー顕微鏡にて解析するとともに、qPCR法またはDNAマイクロアレイ法で内皮機能に重要な遺伝子の発現変化を解析する。
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