Project/Area Number |
23K08587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀家 なな緒 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (30589221)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 軟骨 / 骨 / エネルギー代謝 / 生理活性物質 / 血漿プロテオーム解析 / 質量分析 |
Outline of Research at the Start |
これまでに同定した32種類の軟骨・骨由来新規生理活性物質の生理機能を解明することである。ヒトiPS細胞由来軟骨組織をSCIDマウスに移植して骨組織に分化させ、インスリン、メトホルミン、PTHrP刺激、長期高脂肪食負荷、運動負荷をかけた。移植マウスの血漿をLCMS/MS 型質量分析装置にかけ、移植したマウスでのみ分泌されるヒトのアミノ酸配列をもつ分子を152種類同定した。この中から刺激により分泌される因子を32種類同定した。本研究では、この32種類の分子の中から有効な分子の生理機能を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨と他臓器の間をつなぐ生理活性物質を同定することは、エネルギー代謝・糖代謝の恒常性維持に関わり、糖尿病、肥満等の生活習慣病、癌などの新たな治療や予防法を開発できる。 本研究では、軟骨・骨から分泌され、エネルギー代謝、細胞増殖に関係する新規分子を同定し、その生理機能を明らかにする。 SCIDマウスにヒト組織を移植すると、移植されたマウスの血液には、移植組織からの分泌因子が存在し、アミノ酸配列の違いから、移植したヒト組織で合成、分泌された物質であることを確定できる。この手法は、従来のRNAseqやマイクロアレイ等の遺伝子発現量比較実験と比べ、擬陽性がないところに優位性がある。 ヒト由来iPS細胞由来軟骨組織をSCIDマウスに移植、骨に分化させた後、インスリン刺激や長期高脂肪食負荷を実施し、血漿タンパク質を質量分析によりヒトアミノ酸配列を持つ分子を152種類同定した。中でもシグナル配列を持つ32種類は、刺激により分泌が亢進しており、エネルギー代謝に関係する分子であることが期待できる。本研究の目的は、同定された新規分泌因子のうち、特に有力な候補の生理機能を明らかにすることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトiPS細胞由軟骨組織を移植したSCIDマウスの組織が十分に骨化したことをレントゲンで確認し、二か月間の高脂肪食負荷、インスリン刺激、PTHrP製剤(テリパラチド)刺激を行い、マウスの血液を採取した。対象群として、移植していないSCIDマウスの血液を採取した。血漿をLCMS/MS 型質量分析装置にかけ、ヒトアミノ酸配列のデータベース上の遺伝子と一致するタンパク質を探索した。移植していないSCIDマウスの血液にはなく、移植したSCIDマウスにのみみられたヒトのアミノ酸配列を持つタンパク質を152種類検出した。152種類のヒトアミノ酸配列を持つタンパク質の中には、これまでに報告されている骨や軟骨から分泌される因子である1型、2型、5型、6型、11型コラーゲンや骨吸収マーカーであるCOMP( Cartilage Oligomeric Matrix Protein )等が検出された。マウスの全組織のRNAシーケンスとSignalPソフトウエアで分析し、特に骨や軟骨に高い発現があり、軟骨基質ではないシグナルペプチドを有するタンパク質を抽出したところ、骨から分泌され生理機能をもつことが知られていない新規の32種類の分泌因子を同定した。高脂肪食刺激、インスリン刺激等により分泌が誘導されることから、エネルギー代謝に関与する新規生理活性物質の候補となる可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
候補となる分子は、セリン型エンドペプチダーゼ阻害剤活性を持つが生理機能は十分に調べられていない。移植したヒト由来iPS細胞由来軟骨組織で候補となる分子が発現しているか否かを調べるために免疫染色を行う。ヒト由来iPS細胞由来軟骨組織を移植したマウスに高脂肪食を負荷して血液を採取し、候補分子の分泌をELISAにより調べる。
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