Project/Area Number |
23K08620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中舘 和彦 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80372895)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 末梢神経 / シュワン細胞 / 急速凍結 / 保存 / 電子顕微鏡 / 神経再生 / 凍結保存 / 神経可塑性 |
Outline of Research at the Start |
末梢神経損傷後に神経再生が起こることは形態学的には既知であるが、機能回復については満足できる結果ではない。Schwann細胞は末梢神経において髄鞘を形成し、末梢神経の神経再生能力に必要不可欠な役割を果たしている。本研究では臨床での末梢神経移植を想定し、神経細胞とSchwann細胞との構造的・機能的関連の解明と、その機能的Schwann細胞を保持した凍結保存法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
末梢神経は中枢神経に比べ軸索の再生が顕著に認められる。末梢神経を取り囲むSchwann細胞は、末梢神経損傷の刺激で増殖・活性化し軸索再生を促すことが報告されている。Schwann細胞は末梢神経における再生軸索の足場になるとともに、神経栄養因子であるNeurotrophin-3 (NT-3)などを合成、分泌することで再生軸索の伸長を促すことが報告されているが、これまでにSchwann細胞による末梢神経軸索再生機構は真には解明されていない。本研究では臨床での末梢神経移植を想定し、末梢神経とSchwann細胞との構造的・機能的関連の解明と、Schwann細胞を保持した凍結保存法の確立を目指す。本研究を達成するために3年間の期間内に以下の研究を遂行する。①神経細胞とSchwann細胞との共培養を用い、両細胞間で構造的、機能的にどのような連絡をしているのか、光―電子相関顕微鏡法(CLEM)と機能的コネクトミクス解析法により網羅的に解析する。②神経軸索の再生を誘発する因子の単離同定を行い、末梢神経軸索再生のメカニズムを解析する。③凍結保存法を改良する。本研究の遂行により、自家神経移植に変わる新たな神経組織 Bankへとつながる礎を築き、広く臨床の現場での発展の一助とする。 本研究実施初年度は、末梢神経の中で、これまで検討してきた坐骨神経組織を対象に検討を行った。坐骨神経の凍結方法の確立を中心に、急速凍結法、Program freezer法、Cells alive system法、マイクロウェーブ法を用いて、神経凍結法と保存法を検討してきた。これまでの実験から、坐骨神経組織の凍結では、数ヶ月以上の凍結が可能と考えられる結果を得ているが、電子顕微鏡を用いた微細な形態観察では髄鞘の変性が少なからず認められる。これらの損傷を可能な限り低下させる条件検討を引き続き行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、3年の実施を見込んでおり、現在初年度が終了した。初年度に計画していた末梢神経の凍結保存法の確立とその解析方法の準備のため、予算執行とともに、研究実施も当初の概ね予定通りで進んでいる。 初年度に主体的に解析した坐骨神経組織の凍結方法を確立では、急速凍結法、Program freezer法、Cells alive system法、マイクロウェーブ法を用いて、神経凍結法と保存法を検討してきた。 これまでの実験から、20mm程度のグラフト坐骨神経組織の凍結においては、光学顕微鏡下において、数週間から数ヶ月以上の凍結が可能と考えられる結果を得るまでに至っている。一方で、同様に作製した坐骨神経組織を電子顕微鏡を用いた微細な形態観察を行うと、やや髄鞘の変性が認められることが多い。微細な変異であるため、生存や神経損傷への影響が大きくはないとは考えられるが、真の解析方法の確立を行うため。坐骨神経線維の表面から中心部までの構造保持の条件検討(0度から-5度までの氷晶形成帯の通過時間と-30度から-40度までの共晶点通過時間)を行っている。現在までに、神経組織とSchwann細胞の保持可能な凍結条件を明らかにしつつあると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に計画し、実施してきた末梢神経の凍結保存法の確立とその解析方法の確立を引き続き行う。初年度に解析してきた坐骨神経組織の凍結方法を用い、さらに神経内部の損傷を低減させる手法の確立を行う。急速凍結法、Program freezer法、Cells alive system法、マイクロウェーブ法を用いて、坐骨神経線維の表面から中心部までの構造保持の条件検討(0度から-5度までの氷晶形成帯の通過時間と-30度から-40度までの共晶点通過時間)を行う予定である。 さらに、神経変性を誘発しているモデル動物を用いて、末梢神経損傷の機能と構造変化の解析、また初年度に明らかにした神経組織とSchwann細胞との相互関係を、より広範囲に対象領域を拡大し、その相互関係が不変的なものであることを実証する。そのために、平板イオンミリング法と光―電子相関顕微鏡法(CLEM)を併用し解析する。
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