Project/Area Number |
23K08655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
馬渡 正明 佐賀大学, 医学部, 教授 (80202357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (30153266)
上野 雅也 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (20879811)
平田 寛人 佐賀大学, 医学部, 助教 (90971755)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 骨折モデル / 骨形成 / Nupr1 / MSC / 遺伝子欠損マウス / 老化細胞 / 変形性関節症 |
Outline of Research at the Start |
近年、老化によるストレスで形成される老化細胞が骨量減少など様々な老化による病態に関与することが明らかにされているが、最近、申請者らは転写因子Nupr1が、老化に関わるセリンプロテアーゼの発現を制御し、老化細胞の形成を亢進し加齢による骨量減少にも関与することを見出した。本研究では、Nupr1遺伝子欠損マウスを用いた骨欠損モデルの治癒過程の骨形成の解析やin vitroの骨芽細胞分化系を用いた解析及びヒト変形性関節症由来の骨サンプルの解析を行い、Nupr1の骨折の治癒過程における作用や老化細胞形成との関係及びその機序を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
転写制御因子Nupr1は炎症や酸化ストレスなどで誘導されるキープレイヤーとして知られている。申請者らはNupr1KOマウスでは骨形成が亢進し、加齢マウスの老化細胞形成が減少することを見出しNupr1が骨形成や細胞老化においても重要な働きを持つことを明らかにした。しかしながら、変形性関節症や骨折のような病態におけるNupr1の働きについては明らかでない。本年度は、まず大腿骨に骨欠損を作成した後に間葉系幹細胞(MSC)とScaffoldを移植して骨再生を試みるモデルを計画し、野生型(WT)マウスとNupr1KOマウスを用いた骨欠損モデルやMSCとScaffoldを用いたin vitro3D cultureの骨形成の予備実験を行った。また、WTマウスとNupr1KOマウスの骨髄から細胞を単離培養し、間葉系幹細胞(MSC)を樹立した。MSCを用いて骨芽細胞分化誘導後1,2週間にアルカリフォスファターゼ染色を行ったところ、Nupr1KOマウス由来のMSCから分化した骨芽細胞がWTMSCより強いアルカリフォスファターゼ活性を認めた。さらに、Nupr1KOマウス由来のMSCはWTMSCと比較し、培養4週間後のアリザリンレッド及びフォンコッサ染色も顕著に亢進しており、Nupr1KOのMSCはWTMSCと比較し骨芽細胞分化が亢進していることが考えられた。一方、Nupr1の発現量と加齢の関係について解析するために、人工膝関節全置換術を行った変形性膝関節症患者の骨からRNAを抽出しRT-PCRを行った結果、骨細胞におけるNUPR1の発現が年齢と正の相関を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、マウスの匹数が十分ではなかったため、マウスの維持と実験に必要なマウスを準備を行うとともに、骨折の予備実験やin vitroでMSCをScaffoldに入れて骨形成の評価を行った。以前の結果から、Nupr1が骨芽細胞分化の初期分化を抑制する可能性が考えられたため、WTとNupr1KOマウスの骨髄から間葉系幹細胞(MSC)を樹立した。以前の申請者らの研究から得られていたNupr1KO初代骨芽細胞からの骨芽細胞分化の亢進作用が、Nupr1KOMSCを用いた時にさらに顕著にみられることが明らかになった。また、ヒトの骨細胞においてNUPR1の発現が年齢とともに増加するという新たな知見を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
WTとNupr1KOマウス由来のMSCを用いた骨芽細胞分化の評価をRT-PCR法などを用いてさらに定量的に行う。WT及びKOマウス由来MSCをScaffoldに入れてin vitroで3D cultureを行い、骨形成を評価する。WT及びKOマウスの頭蓋骨に骨欠損を作成した後MSCを移植したモデルマウスを作成し、経時的に骨再生の解析を行う。Nupr1阻害剤を細胞培養系やマウスに投与して骨再生における作用を解析する予定である。
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