Project/Area Number |
23K08660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
北川 孝雄 北海道医療大学, 先端研究推進センター, 講師 (20614928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 令江 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (80253722)
早野 崇英 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30642392)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ユーイング肉腫 / がん遺伝子 / EWS-FLI1 / AHDC1 / miniTurboID |
Outline of Research at the Start |
ユーイング肉腫は主に小児や10代の若年性の骨及び軟部組織に発生する腫瘍であり、EWSR1遺伝子とETS転写因子ファミリーとの染色体転座によるがん転写因子が原因となる。がん転写因子が‘転写中毒’をおこすための共通した分子の同定およびその作用機序は不明である。がん転写因子が呼び込む相互作用する分子の作用機序を解明することができれば、新たな創薬ターゲットとなる可能性がある。 本研究課題では、ユーイング肉腫で同定している相互作用分子のうち、AHDC1遺伝子に着目し、AHDC1の分子機能の解明からがん転写因子と協調した転写メカニズムの解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
ユーイング肉腫は主に小児や10代の若年性の骨及び軟部組織に発生する腫瘍であり、染色体転座によってがん転写因子(EWS-ETS転写因子)が生じることに由来する。外科的手術後、転移が起こった場合、治療成績が20%前後となり、がん転写因子が新たに呼び込む相互作用する分子・複合体が制御する転写調節メカニズムを解き明かすことが新たな創薬ターゲットとなると考えられる。本研究課題では、AHDC1の新規機能を新規に同定する分子・複合体から推定し、AHDC1に液―液相転移の概念を導入し、ゲノムレベルでのAHDC1-EWS-ETS転写因子のクロマチン結合箇所の解明によって、AHDC1―EWS-ETS転写因子の転写制御機構を解明する。ユーイング肉腫において、染色体転座によって生じたEWS-ETS転写因子は、①ETS転写因子のDNA結合モチーフの変化(GGAA microsatellite)をおこし、②融合したEWS部分の天然変性領域の相分離の形成によって、がん細胞へ形質転換させる可能性がある。しかし、転写をオープンにするようなクロマチン集積分子とがん転写因子を繋ぐハブについては知られていない。がん遺伝子が‘転写中毒’を起こす原因の一つとして、がん転写因子とクロマチン集積とのハブの機能をAHDC1の分子機能を中心に明らかにする。 今年度の結果として、AHDC1と相互作用するタンパク質の同定を質量分析を用いて行った。いくつかの候補タンパク質を同定することができた。また、AHDC1-ChIP解析のために、ゲノム編集でAHDC1へのタグ導入を試みた。しかし、現在のところ、タグを導入できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は2つの研究計画を進めた。(計画1)AHDC1相互作用複合体の同定:AHDC1側から相互作用するタンパク質をユーイング肉腫細胞で同定するために、BioIDの高活性化タグであるminiturboIDをAHDC1のN末端およびC末端と連結させたレンチウイルスベクターを作製し、ユーイング肉腫細胞へ導入した。また、Xia-Gibbs syndrome患者のミスセンス変異(D607N)も導入したAHDC1も同時に解析した。AHDC1と相互作用するタンパクをビオチン化・精製後に研究分担者に解析を依頼した。同定された候補の中で、ARID1Aが含まれた。EWS-FLI1でのBioID実験においてもARID1Aが含まれていた。再現性を確認するために、回収したサンプルを使い、ウエスタンブロッティングを行い、ARID1AがAHDC1ビオチン化タンパク質回収物に含まれることを確認した。(計画2)AHDC1-EWS-ETS転写因子転写制御機構:AHDC1遺伝子への内在性タグ導入を行うために、ゲノム編集をユーイング細胞で行った。しかし、現在までにAHDC1へのタグ導入をできたクローンを取得できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(計画1)同定した分子の検証を引き続き、抗体を使って免疫沈降法で行う。さらに、siRNAやshRNAで発現抑制し、がん転写因子の転写に関与するのかどうかを、増殖、局在などの点で検証する。(計画2)引継ぎ、ゲノム編集でユーイング肉腫細胞のAHDC1へタグを入れる。
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