後根神経節における神経・免疫連関から紐解く神経障害性疼痛の制御機構
Project/Area Number |
23K08668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松林 嘉孝 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50747962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 康徳 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40570734)
加藤 壯 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50822061)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 後根神経節 / JAK-STAT pathway / 免疫細胞 / 空間トランスクリプトーム / 空間トランスクリプトーム解析 |
Outline of Research at the Start |
神経障害性疼痛は多くの運動器疾患によって引き起こされ、日常生活動作レベルに悪影響を与え、近年は後根神経節(dorsal root ganglion: DRG)を対象とした研究も散見されるようになった。申請者らは、関節炎モデルマウスに付随する神経障害性疼痛の発症に、DRGにおけるJAK-STAT pathwayが深く関与していることを突き止めた。本研究では絞扼性神経障害モデルマウスを用いて、DRGが神経障害性疼痛の発症にどのように関わり、JAK-STATも含めどのような分子やシグナルが重要な役割を果たすのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では絞扼性神経障害モデルマウス(神経障害マウス)として、坐骨神経結紮モデル、腰椎神経根結紮モデルを採用し、3Dモーションキャプチャー法、Dynamic Plantar Aesthesiometer(von Frey test)によるアロディニアの出現、Plantar testによる温度覚の変容、Incapacitance testによる両側の足底圧力差、foot print解析システムによる動作変容などの行動学的解析によって、疼痛による動作の変容を評価する。DRG、脊髄後角の組織学的解析、RNAシーケンシング(RNA-seq)を用いた発現解析によって経時的な発現変化を明らかにし、IPA(Ingenuity Pathway Analysis)解析を用いてJAK-STAT pathwayを中心に上流解析やシグナル解析も行う。DRGにおけるマクロファージなどの免疫細胞や、脊髄におけるミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞が、神経障害性疼痛の病態に関与することが示唆されることから、各組織の細胞集団をFACSで単離することで特徴的な変化を捉えたり、経時的なscRNA-seqを実施することで組織特異的なサブセットの変容と役割を詳細に解析する。そして神経障害性疼痛に関わる変化の大きい細胞集団、責任分子を同定し、CRISPR-CAS9ゲノム編集技術を使用してノックアウトマウスを作出し、神経障害性疼痛モデルを作成してloss of functionの系で分子の機能を解析する。神経障害性疼痛における責任細胞、責任分子・シグナルの包括的な解明と並行して、JAK阻害薬やその他病態に主要な役割を果たすと考えられる分子やシグナルの修飾薬などを用いて神経障害性疼痛の抑制にも挑む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で使用する絞扼性神経障害モデルマウス(神経障害マウス)である、坐骨神経結紮モデル、腰椎神経根結紮モデルを、既報を元に再現化し、安定して作成できることを確認した。疼痛行動解析として、3Dモーションキャプチャー法、Dynamic Plantar Aesthesiometer(von Frey test、アロディニア)、Plantar test (温度覚)、Incapacitance test (足底圧力)、foot print解析システム (動作変容)の各手法を、マウスで安定して評価可能であることを確認した。組織学的解析として、DRGや脊髄後角の各組織を採取し、組織切片を作成し免疫学的組織染色の条件検討を行なっている。また各組織をホモジナイズし、RNAシーケンシング(RNA-seq)の実施に先立って、qPCRによる遺伝子発現変化の再現性を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
各組織をホモジナイズしてRNA-seqに提出するとともにIPA(Ingenuity Pathway Analysis)解析を用いてJAK-STAT pathwayを中心に上流解析やシグナル解析を行う。また各組織のFACS条件や、scRNA-seqを提出するための条件検討を行なっていく。その先の見通しとして、神経障害性疼痛に関わる変化の大きい細胞集団、責任分子を同定し、CRISPR-CAS9ゲノム編集技術を使用してノックアウトマウスを作出し、神経障害性疼痛モデルを作成してloss of functionの系で分子の機能を解析する。また神経障害性疼痛における責任細胞、責任分子・シグナルの包括的な解明と並行して、JAK阻害薬やその他病態に主要な役割を果たすと考えられる分子やシグナルの修飾薬などを用いて神経障害性疼痛の抑制にも挑む。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)