Project/Area Number |
23K08676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下村 和範 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (40755998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 憲正 大阪大学, 国際医工情報センター, 招へい教授 (50273719)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 半月板 / 半月板損傷 / 半月板再生 / 間葉系幹細胞 / 細胞外小胞 / エクソソーム / ナノファイバースキャフォールド / エレクトロスピニング法 / ナノファイバー / スキャフォールド |
Outline of Research at the Start |
本研究では、これまで難治性であった半月板損傷に対し、再生医療的アプローチを用いて新しい半月板治療法の確立を目指す。我々は、これまでエレクトロスピニング法により作製した内部にナノレベル線維構造を有するスキャフォールドを作製し、間葉系幹細胞と組み合わせることで、難治性半月板損傷に対する有用性を示している。一方、細胞を用いた治療は、品質のばらつきや高コストの問題があり、臨床応用のハードルとなっている。本研究では、今後の臨床応用を踏まえ、近年セルフリーセラピーとして注目されている細胞外小胞を用い、前述スキャフォールドが、半月板損傷に有用かどうかをin vitroおよびin vivoで検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
半月板は、膝関節内において重要な機能を有するが、自己修復能に乏しく、一旦損傷すると修復が期待されない事から、切除を余儀なくされる場合が多く、変形性関節症の要因となる。近年、組織工学的手法を用いた再生医療の研究が進んでおり、半月板治療の分野でも応用が期待されている。本研究では、従来治療が困難であった半月板損傷に対し、間葉系幹細胞から分泌される細胞外小胞とナノファイバースキャフォールドを組み合わせ、安全性、安定した品質を有する、低コストな新規治療法を確立を目指して研究を行っている。本年度は、まずはナノファイバースキャフォールドの作成、検討を行った。エレクトロスピニング法にて、εポリカプロラクトンを用い、線維の回収方法を工夫し、内部の線維構造が一定方向のシート状のナノファイバースキャフォールドを作成した。線維方向の確認、複数の厚みのスキャフォールドが作成できることを確認した。さらに間葉系幹細胞(ヒト滑膜、ヒト脂肪)の接着性を組織学的に確認した。細胞外小胞の接着については、現在粒子数やタンパク定量での評価を試みており、引き続きの検討を要する。次年度も引き続き、細胞外小胞の接着性の検討を行い、十分な接着性が確認できれば、徐放効果等の検討を進めていく予定である。本研究の成果は、従来治療が困難であった半月板損傷に対する新たな治療法の確立のみならず、近年患者数の増加が著しい変形性関節症の発症予防の一助となることも期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、まずはナノファイバースキャフォールドの作成、検討を行った。エレクトロスピニング法にて、εポリカプロラクトンを用い、線維の回収方法を工夫し、内部の線維構造が一定方向のシート状のナノファイバースキャフォールドを作成した。線維方向の確認、複数の厚みのスキャフォールドが作成できることを確認した。さらに間葉系幹細胞(ヒト滑膜、ヒト脂肪)の接着性を組織学的に確認した。細胞外小胞の接着については、現在粒子数やタンパク定量での評価を試みている。スキャフォールドへの粒子数の直接の定量方法の検討、また用意した粒子数と接着しなかった粒子数の差での検討など様々な方法での検討を行っている。スキャフォールドの作成や性能の検討、細胞外小胞の評価法の検討に時間を要し、やや進捗が遅れることとなった。次年度も引き続き、細胞外小胞の接着性の検討を行い、十分な接着性が確認できれば、徐放効果等の検討を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように、次年度も引き続き、細胞外小胞の接着性の検討を行い、さらにスキャフォールから徐放される細胞外小胞の定量実験を進めていく。これらの成果が得られれば、in vitroにおける細胞外小胞と間葉系幹細胞による比較を行う。評価は以下のように行う。1cm四方のスキャフォールドを準備し、これまでに得られた最適化された条件を元に、間葉系幹細胞(ヒト滑膜、ヒト脂肪由来)、細胞外小胞(ヒト滑膜、ヒト脂肪由来)を用意、各々をスキャフォールド上に播種・接着し、6wellプレートの底面に静置させ、上面にtranswell insertを置き、上部でヒト軟骨細胞を播種培養する。底面のスキャフォールドからの徐放効果により、軟骨細胞の遺伝子変化をRT-PCRにて確認、またサフラニンO染色等にて軟骨基質産生能を評価することで、間葉系幹細胞および細胞外小胞の軟骨細胞への影響を比較検討する。併せてグリコサミノグリカンの定量にても評価を行う。
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