Project/Area Number |
23K08686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
堀内 圭輔 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 整形外科学, 教授 (30327564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 昌樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30464994)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 骨格筋萎縮 / サルコペニア / IL-33 / 間葉系前駆細胞 / 骨格筋変性 |
Outline of Research at the Start |
骨格筋内には大別して筋線維細胞への分化に特化した衛星細胞と,軟骨細胞,脂肪細胞,線維芽細胞などへの多分化能を有する間葉系前駆細胞が存在する.興味深いことに,間葉系前駆細胞は衛星細胞と協調し,骨格筋の恒常性維持,筋再生などに重要な機能を有することが近年明らかとなっている.研究代表者らのこれまでの研究結果から,間葉系前駆細胞が発現するIL33とその受容体であるIL1RL1が廃用性筋萎縮に対し抑制的に機能することを示唆するデータが得られている.本研究では,これらの所見をin vivoモデルで検証するとともに,その分子メカニズムを解析し,廃用性筋萎縮症に対するIL33シグナルの治療標的としての有用性を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋内には大別して筋線維細胞への分化に特化した衛星細胞と,軟骨細胞,脂肪細胞,線維芽細胞などへの多分化能を有する間葉系前駆細胞が存在する.興味深いことに,間葉系前駆細胞は衛星細胞と協調し,骨格筋の恒常性維持,筋再生などに重要な機能を有することが近年明らかとなっている.本研究では老化・筋萎縮に伴う間葉系前駆細胞の機能解析を試みた.マウス筋萎縮モデルとして,下肢をゴムでコーティングされた針金による固定モデルを利用した.また高齢マウスとして>50週齢のマウスを用いた.これまでの予備検討から,筋萎縮にて間葉系前駆細胞の細胞数が若齢マウス,高齢マウスともに増加することが明らとなっていたが,検証実験にてこれが確認された.また筋萎縮を誘導した骨格筋から間葉系前駆細胞を単離し,遺伝子発現解析を行ったところ,IL-33とその受容体であるIL1RL1が一過性に上昇することが観察された.興味深いことに,IL-33とIL1RL1の発現上昇は高齢マウスにおいて若齢マウスに比較して減弱していることが明らかになった.これらの結果から,IL-33とIL1RL1を介するシグナルは,筋萎縮に対し抑制的に機能し,その機能は高齢マウスでは低下していると推測された.また,in vitroの検討からIL-33は筋線維には作用せず,間葉系前駆細胞に対し,autocrine的に機能することが示唆された.これらの仮説を検証するため,IL-33とIL-33の阻害分子として機能する可溶型IL1RL1を若齢マウスおよび高齢マウスに投与し,筋萎縮を誘導したところ,高齢マウスではIL-33投与にて,筋萎縮が軽減されることが観察された.一方,可溶型IL1RL1投与にて若齢マウス,高齢マウスともに筋萎縮が悪化する傾向が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・筋萎縮とともに間葉系前駆細胞の細胞数が変動するという知見が得られており,また間葉系前駆細胞の単離,そして経時的な遺伝子発現様式の変化の解析に成功している.老化,筋萎縮に関連すると考えられる候補遺伝子は複数同定されているが,その中でも既報がないIL-33およびIL1RL1に注目し,これらの遺伝子が筋萎縮に伴い,比較的高い特異性をもって間葉系前駆細胞に発現することを明らかにしている.また,これらの結果が得られたことは,本研究の基礎となるマウス筋萎縮モデル,骨格筋からの細胞単離などが問題なく実施できている裏付けであると考える. ・薬剤やサイトカインのマウス投与では,至適濃度の設定や,投与した物質の半減期,薬理動態など様々な因子があり,その効果をvivoで観察するのは時に困難である.しかしながら,これまでの暫定的な結果から,IL-33および可溶型IL1RL1の投与にて,骨格筋の変化がとらえられており,マウスモデルを用いた仮説検証が確実に実施されている.
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Strategy for Future Research Activity |
IL-33が筋萎縮時に骨格筋内の間葉系前駆細胞に特異的に発現し,これが筋萎縮に対し抑制的に機能すること,さらにはIL-33を介するシグナルが高齢マウスでは減弱していることがこれまで示唆されており,これらの実験の検証を行うとともに,これまでの知見の論文化を目指す.また,IL-33が筋線維ではなく,間葉系前駆細胞に対しautocrineで機能することから,IL-33は間葉系前駆細胞を介して何らかの可溶型の因子の産生を促進していることが推測される.その因子の同定が今後の研究の目標の一つである.さらに,高齢者では腎機能不全など様々な慢性疾患を生じる割合が高くなることから,こうした慢性疾患マウスモデルを高齢マウスで導入し,従来とは異なった視点から高齢者における骨格筋萎縮の病態解明を試みる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)