分子基盤に基づいた HPV 関連子宮頸部腺癌の治療選択基準の提唱-子宮温存のために
Project/Area Number |
23K08825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三上 芳喜 熊本大学, 病院, 教授 (90248245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 大地 金沢大学, 医学系, 教授 (30585500)
川上 史 熊本大学, 病院, 特任助教 (40565678)
松井 啓隆 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (60379849)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / 子宮頸部 / 腺癌 / Silvaシステム / NGS / Silva システム |
Outline of Research at the Start |
近年子宮頸癌は若年層を主に頻度が横ばいから上昇に転じ、特に腺癌の相対頻度と罹患数が増加している。その治療は子宮全摘出術が基本だが、妊孕能を維持するために子宮温存縮小手術が考慮されることが少なくない。現状では腫瘍の大きさや広がりが治療選択において重要視されているが、最適な治療選択基準が模索されている。 本研究では子宮頸部腺癌の多くを占める HPV 関連腺癌の中で特に悪性度が高いとみられている粘液産生能の高い群と悪性度が低く局所切除により子宮温存が可能な非粘液産生群の増殖様式や遺伝子発現プロファイルの違いを明らかにし、治療選択に寄与する分子マーカーを探索するとともに、新しい治療選択基準を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸部腺癌の80%以上を占めるHPV関連腺癌の予後指標を明らかにするために、頸部腺癌約200例のバーチャルスライドをレビューし、WHO分類第5版に基づいたHPV関連癌の抽出と、その組織破壊のパターンを評価し、共同研究者らが収集した婦人科腫瘍学会腫瘍登録に基づいた進行期、予後情報と統合したデータベースを作製した。更に追加症例100例程度の集積が見込まれ、300例規模のデータベースの構築を見込んでいる。また、HPV関連腫瘍の中でも予後不良であることが知られ、腺癌と併存することのある神経内分泌分化を示す腫瘍の構成成分に着眼し、WHO第5版で記載されなかった神経内分泌腫瘍G3の存在の可能性について2例報告を行った。その後、HPV関連子宮頸部腺癌から予後不良群を抽出するバイオマーカーを探索するための予備的研究として、自施設および共同研究者らと集積したHPV関連子宮頸癌の中から長期予後の判明している神経内分泌分化を示す腫瘍19例を抽出し、その免疫微小環境を免疫組織化学的に評価し、予後との相関を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題1. HPV 関連子宮頸部腺癌の組織学的パターンと組織破壊のパターン、リンパ節転移の有無との相関の検討: 症例の収集に時間を要したため、レビューの開始が想定より遅れた。症例の集積、バーチャルスライド化は概ね終了しており、今後粘液産生の有無、割合を含めた組織学的な詳細な評価は今後行い、浸潤様式とリンパ節転移の頻度を比較する予定である。 課題2. 粘液産生能を有する腺癌と有しない腺癌の分子遺伝学的背景の違い: TCGA登録症例のWHO第5版に基づいた組織亜型の再評価にあたり、課題1と連動した評価項目の設定が望ましいと考えられたことから開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
約300例のHPV関連子宮頸部腺癌の組織学的レビューを完遂し、浸潤様式、粘液性分化の量的な評価を含むデータベースを完成させる。これにより、粘液産生の有無と浸潤様式、リンパ節転移の頻度の関係を明らかにする。TCGAのデータベースで公開されているバーチャルスライドを、集積症例と同じ項目で評価し、粘液産生の有無を特徴付ける遺伝子変異のパターンを把握する。数例の子宮頸部HPV関連腺癌の網羅的遺伝子解析を行い検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)