Project/Area Number |
23K08835
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
遠藤 日富美 福岡大学, 医学部, 講師 (00435108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40271605)
貴田 浩志 福岡大学, 医学部, 准教授 (80529454)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 抗体-遺伝子結合ペプチド / 遺伝子送達 / 中枢神経 / 卵巣癌 / 抗PD-L1抗体 / PARP阻害薬 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、抗体-遺伝子結合ペプチドとその複合体を用いて、卵巣癌でのPARP阻害とPD-L1発現変化の関係性の解明と、その根治を目指す「抗体-遺伝子複合療法」の基盤を確立する。抗体-遺伝子結合ペプチドは、抗体、遺伝子と自己集合して複合体ナノ粒子を形成する。複合体化された抗体が表面抗原阻害と同時に、腫瘍細胞に選択的に遺伝子を送達させるデリバリー機能も果たす。抗PD-L1抗体と結合させたPARP shRNA遺伝子の高効率導入の確立、PARP阻害とPD-L1阻害が相乗的に抗腫瘍効果を向上させる機序を解明する。生体動物での抗PD-L1抗体×PARP shRNAによる抗腫瘍効果の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は抗体-遺伝子結合ペプチドと抗体、遺伝子との複合体を用いた臓器選択的な遺伝子導入がin vivoで機能することの確認を行った。静脈を介して複合体を投与し、血中での解離、酵素分解、細網内皮系での捕捉を回避して、腫瘍組織だけに遺伝子を選択的に送達することは、難易度が高いため、まずは局所投与での選択的な遺伝子導入効率を確認した。具体的には中枢神経組織への局所投与による、遺伝子導入効率を評価した。Luc2 (細胞内局在型のルシフェラーゼ)をコードする哺乳動物発現プラスミドベクター、抗体-遺伝子結合ペプチドおよび、IgG抗体(興奮性アミノ酸トランスポーター2(EAAT2)またはアクアポリン4(AQP4)への結合能を有する抗体) を混合して形成した複合体を、BALB/cマウスに腰椎穿刺により髄腔内注射(L5/6)により投与した。48時間飼育後に中枢神経(脳、脊髄)への遺伝子導入効率をIVIS(in vivo imaging system)を用いて評価した。抗EAAT2抗体、AQP4抗体で修飾した複合体を用いた場合の相対発光強度(RLU)はそれぞれ1.5×10^4、5.7×10^4で、これらは正常IgG抗体で修飾した複合体を用いた場合のそれぞれ1.7倍、3.8倍であった。局所投与で抗体-遺伝子結合ペプチド抗体-遺伝子結合ペプチドと抗体、遺伝子との複合体は解離することなく、組織選択的な遺伝子送達が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗体-遺伝子結合ペプチド抗体-遺伝子結合ペプチドと抗体、遺伝子との複合体がin vivoでも機能しうることが確認されたことは大きな成果である。一方で、この遺伝子導入は実験の試行ごとに結果が大きくばらつくことも明らかになった。これは複合体の組成比率や粒子径が形成の実施ごとに大きく変化することや、抗体-ペプチド間の結合能が不十分で、解離や血中での置換が生じることによると推察される。総合的に判断して、研究はおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
血液循環を介したin vivo での腫瘍選択的な遺伝子導入を確実に実現するために、複合体形成能の均一化、抗体-ペプチド結合の解離の抑制などが課題である。マイクロ流体デバイスを用いた粒子形成能の均一化、抗体-ペプチド結合の共有結合化などの改良を進めていく。また具体的に抗PD-L1抗体修飾した複合体を用いた遺伝子導入実験を進めていく。
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