早発卵巣不全予測マーカー測定法開発と妊孕性温存療法への展開
Project/Area Number |
23K08865
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大須賀 智子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30778296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村岡 彩子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40930269)
三宅 菜月 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60962470)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 卵巣顆粒膜細胞 / 卵胞発育 / 早発卵巣不全 |
Outline of Research at the Start |
昨今の不妊治療技術の向上により、これまで妊娠を諦めざるを得なかった不妊症の患者が子を持つことが可能となってきた。一方で、早発卵巣不全や加齢による妊孕能の低下等、現在の不妊治療でも克服できない問題もあり難治性不妊症と呼ばれる。早発卵巣不全は40歳未満で卵子が枯渇し閉経状態に至る疾患である。不可逆性であり一旦成立すると自身の卵子で妊娠することはほぼ不可能である。事前に予測できれば卵子凍結や卵巣組織凍結による妊孕性温存が技術的に可能であるが、現在そのようなマーカーはない。 本研究は、新規妊孕能マーカーの測定によりこのような不可逆性不妊が成立する前にリスク例を検出することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
早発卵巣不全を事前に予測する方法の開発として、抗POTEF抗体測定法の改良を行っている。特許出願「早発卵巣不全を検査する方法」については、登録査定となっており、今後特許登録を予定している。測定法の改良については、感度の改善を図るため、抗原固相化法ならびにブロッキング剤の検討を行った。抗原固相化の検討としては、固相化時のバッファーについて複数のバッファーの検討を行った。ブロッキング剤については、市販のブロッキング剤も含め、複数の検討を行い、最適な固相化バッファーとブロッキング剤の組み合わせを同定している。また、多検体測定のため、倫理委員会承認の下、早発卵巣不全患者に同意を得て測定用の血清検体を蓄積している。 POTEFタンパク質の初期卵胞発育と維持へのはたらきについては、薬剤誘導性にPOTEFを発現増強した顆粒膜細胞(CuO-POTE-Flag-HGrC1) と発現増強していない顆粒膜細胞を用いたRNA-Seq解析による発現変動遺伝子の解析を行った。2種類のCuO-POTE-Flag-HGrC1を用いて解析を行った。|Fold Change|>2、P値<0.05の条件で解析を行った結果、POTEF発現により2株に共通して28遺伝子の発現量が増加、51遺伝子の発現量が低下した。また、それぞれ5遺伝子がautophagyに関連した機能をもつ遺伝子であった。発現変動を示した各遺伝子の機能を検討したところ、2株に共通して減少したものにAMHR2が認められた。AMHは一次卵胞から小胞状卵胞の顆粒膜細胞で分泌され、休眠卵胞の維持に寄与するとされている。POTEFが発現している顆粒膜細胞では、卵胞の休眠維持の作用がPOTEF dependentとなり、POTEFの発現が低下することでAMHによる卵胞の休眠/活性化のコントロール下になる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた抗POTEF抗体測定につき、抗原固相やブロッキングバッファーの検討を行っている。POTEFの顆粒膜細胞における機能については、薬剤誘導性にPOTEFを発現増強した顆粒膜細胞(CuO-POTE-Flag-HGrC1) と発現増強していない顆粒膜細胞を用いたRNA-Seq解析による発現変動遺伝子解析により、休眠維持に関与するAMHRの発現変動が同定された。
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Strategy for Future Research Activity |
抗POTEF抗体測定価測定につき、抗原固相化ならびにブロッキング剤の条件が固定された後、二次抗体の検討や至適血清希釈濃度の設定を行う。各条件が固定されたのち、プロトタイプ作成を行う。プロトタイプ作成後に測定に用いる患者血清につき、引き続き、同意書取得と血清の蓄積を行う。 POTEFタンパク質の卵胞顆粒膜細胞における機能については、CuO-POTE-Flag-HGrC1を用いて、RNA-Seqで同定されたAMHRとの関連についての解析を進める。POTEF発現/非発現とに伴うAMHR発現挙動の変化について遺伝子発現解析による検討や、POTEF発現に伴うAMHRの細胞内局在の変化について細胞蛍光免疫染色等を用いた検討を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)
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[Presentation] Can serum miRNA be used as a predictive biomarker for ovarian reserve post ovarian cystectomy in patients with ovarian endometriomas under perioperative dienogest treatment?2023
Author(s)
Atsushi Yabuki, Ayako Muraoka, Satoko Osuka, Akira Yokoi, Kosuke Yoshida, Masami Kitagawa, Natsuki Miyake, Natsuki Nakanishi, Tomoko Nakamura, Akira Iwase, Hiroaki Kajiyama
Organizer
第75回日本産科婦人科学会学術講演会
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Author(s)
Muraoka A, Yokoi A, Yoshida K, Kitagawa M, Murakami M, Bayasula, Miyake N, Nakanishi N, Nakamura T, Osuka S, Kajiyama H.
Organizer
第75回日本産科婦人科学会学術講演会
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[Presentation] 早発卵巣不全で診断に至ったX染色体に構造変化がみられたターナー症候群の2例2023
Author(s)
可世木 聡, 三宅 菜月, 畠山 未来, 菱川 里沙, 窪川 芽衣, 加藤 彬人, 宮本 絵美里, 竹田 健彦, 安井 裕子, 関 友望, 田中 秀明, 矢吹 淳司, 曽根原 玲菜, 村岡 彩子, 中村 智子, 大須賀 智子, 後藤 真紀, 梶山 広明
Organizer
第118回愛知産科婦人科学会学術講演会
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