Project/Area Number |
23K08874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
板持 広明 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20314601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩谷 岳 岩手医科大学, 医学部, 特任教授 (70405801)
遠藤 史隆 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70714442)
馬場 長 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60508240)
庄子 忠宏 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (00337148)
利部 正裕 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (30382609)
千葉 洋平 岩手医科大学, 医学部, 任期付助教 (20892847)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 卵巣癌 / 明細胞癌 / HSP |
Outline of Research at the Start |
これまでに、卵巣明細胞癌組織検体を用いて全エクソン・シーケンス解析を行い、明細胞癌組織ではHSF1遺伝子増幅が高頻度にみられることを明らかにした。HSF1経路はがんの進展に寄与するとともに、患者の予後との関連が指摘されている。 本研究では、臨床的検討によりHSF1の明細胞癌におけるバイオマーカーとしての可能性を検証する。また、基礎的検討からHSF1のがん抑制遺伝子としての可能性を検討するとともに、HSF1経路を標的とした治療や抗がん剤耐性克服を試みる。さらに、それらの作用や耐性克服機序を解明し、明細胞癌に対する新たな治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
上皮性卵巣癌におけるheat shock transcription factor 1(HSF1)遺伝子増幅やHSF1/HSPs (Hsp90、Hsp70)経路関連蛋白発現を検索しこれらの変化を組織型別に検討するとともに、HSF1のバイオマーカーとしての可能性を模索する。 本研究では、明細胞癌組織検体を用いて、全エクソン・シーケンス解析を行った。55例を解析した結果、AT-rich interactive domain 1A (SWI-like) (ARID1A)遺伝子変異が42% (23例) に、phosphatidylinositol 3’-kinase (PI3K) のcatalytic subunitをコードするPIK3CA遺伝子変異が35% (19例) に観察された。また、HSF1 遺伝子増幅が13例 (24%) にみられた。HSF1遺伝子産物であるHSF1蛋白は、分子シャペロンであるheat shock proteins (HSPs) の転写を制御しており、細胞内蛋白質の恒常性維持に関与している。一方、Hsp90やHsp70等のHSPsとそれらの転写因子であるHSF1は上皮成長因子受容体やその下流の経路等の様々ながん関連因子との相互作用により、がんの進展に寄与すると考えられている。これらの経路は治療標的としても注目されており、2022年6月には、消化管間質肉腫に対してHSP90阻害薬が保険承認された。しかしながら、明細胞癌におけるHSF1発現と患者の予後との関連や、HSF1経路の発癌や進展、抗がん剤耐性への関与や治療標的としての可能性は明らかでない。 本研究では、HSF1 のknock down やHSF1 阻害剤を用いて、明細胞癌における抗がん剤耐性克服を試みる。さらに、それらの耐性克服機序を解明し、抗がん剤耐性卵巣癌に対する新たな治療法の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
明細胞腺癌組織検体56例を集積し、HSF1/HSPs (Hsp90、Hsp70)経路関連蛋白発現を検索し、HSF1のバイオマーカーとしての可能性を検討した。その結果、これら蛋白発現と患者の予後との間に関連はみられなかった。 しかしながら、初年度に施行予定であったHSF1 および増殖・生存シグナル伝達経路を中心とした生物学的特徴の解析やHSF1経路経路制御による抗がん剤感受性の変化と、その機序の解明が現在も実施中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に施行予定であった卵巣癌の組織型別の検討や、HSF1経路制御による抗がん剤感受性の変化と、その機序の解明を今年度も引き続き施行する。また、ヌードマウスを用いたモデル実験を行い、明細胞癌に対するHSF1経路制御と抗がん剤との併用効果を確認する。
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