Project/Area Number |
23K08918
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
今西 順久 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80255538)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 咽喉頭癌 / 鏡視下経口切除術 / 機能温存治療 / 独立予後因子 / 腫瘍免疫回避 / 甲状腺癌 / 液状化検体細胞診 / 診断精度 / 癌幹細胞 / 薬剤耐性 / 上皮間葉転換 / 頭頸部癌 |
Outline of Research at the Start |
頭頸部癌(HNSCC)の治療成績向上には,癌細胞の浸潤転移のみならず免疫回避と薬剤耐性の制御が不可欠である。そこで癌細胞の腫瘍免疫回避と幹細胞特性を同時誘導するEMT(上皮間葉転換)の分子機構を標的とする新たな治療戦略の確立を目的に本研究を行う。 EMT誘導を介して免疫回避性の腫瘍微小環境と癌幹細胞特性の双方の獲得を促進するようなシグナル経路における重要分子を治療標的とすることは,難治性の転移に加えて免疫療法および化学療法に対する抵抗性を同時に克服しうる,強力かつ有望なアプローチとなることが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1) 局所早期咽喉頭癌に対する鏡視下経口切除術は喉頭機能温存治療における頸部照射(RT)既往の影響を検証した。対象の下咽頭・声門上・中咽頭(側壁を除く)癌109例中20例に頸部RT歴を認め,背景・疾患因子との間では,頸部RT歴の有無は頭頸部重複癌の有無と有意な正相関を認める一方,TおよびN stageとは有意な逆相関を示した。治療成績の単変量解析において,頸部RT歴はOS, DSSには影響しない一方,LEDFS(喉頭食道機能温存生存率)およびLCLPR(局所制御喉頭温存率)を有意に低下させていた。多変量解析の結果, 頸部RT歴ではなく,下咽頭癌RT歴がOS(p=0.002),DSS(p<0.001),LEDFS(p=0.012),およびLCLPR(p=0.042)の全てに共通する独立予後不良因子であった。頸部RT歴の中でも特に下咽頭癌RT歴(+)症例における相応の創傷治癒能低下と機能回復遅延,および異時性二次発癌リスクを考慮したマネージメントの重要性が示唆された。 2) 甲状腺腫瘍に対する穿刺吸引細胞診(FNAC)において自施設では液状化検体細胞診(LBC)を導入し,且つ国際基準のBethesda Systemに準拠した「甲状腺癌取扱い規約第7版」の7区分判定様式(BS様式)を併用しており,今後の課題の探索を目的に診断精度の検討を行った。対象期間(2年9ヶ月)中の総検体数409,依頼件数320,患者数302で,うちBS様式判定例271件中,検体不適正は9例(不適正率3.3%)と顕著に低値であった。同期間内の術後組織診断確定76例中,当院細胞診との対比が可能な67例における診断精度(通例に倣いUSとFNを除外)すなわち感度/特異度/正診率/AUCは,class分類:96.9%/83.3%/93.1%/0.901,BS様式:96.6%/80.0%/92.3%/0.883であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本務先の臨床業務の繁忙に加え,従来のCOVID-19パンデミックに伴う諸般の制約が依然として一部で遷延しているために,計画通りの研究遂行に支障を来している。加えて,研究協力者の異動に伴い研究環境の再整備と順応に相応の時間を費やしたこと,実験の一部で至適条件の設定に試行錯誤を重ねていること,および臨床組織標本の検討において病理組織学的評価項目の追加が必要となったことに伴い所見のreviewに多大な時間を費やしていること,などの要因が複合的に重なり,当初の計画に遅延が生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究環境の再整備およびスケジュールの再調整を重ねてゆく。研究が遅延する要因は多様であるため,その都度状況に合わせて臨機応変に研究計画内容を適宜修正しながら効率的に進めてゆく。 諸般の技術的制約および公的データベースの充実状況を鑑みて,必ずしもin vivo modelの確立には拘らない方針とし,in vitroレベルでの細胞の機能的変化(表現型の変化)および大規模データベースから入手可能な情報の評価を適宜優先しながら検討・解析を進めてゆく。 臨床組織標本を用いる統計学的検討においては,必要な説明変数(評価項目)を予め十分に網羅しておく一方で,最終的には臨床的に必要不可欠なもの以外は適宜除外して,合理的なモデルと手法を適用しながら統計学的解析を行う。
|