Project/Area Number |
23K08934
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
戸嶋 一郎 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80567347)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 2型自然リンパ球 / アラキドン酸 / エイコサペンタエン酸 / ドコサヘキサエン酸 |
Outline of Research at the Start |
予備実験から、アレルゲン暴露後のアレルギー性鼻炎の鼻内でPGE2が減少することでILC2を介した2型炎症が増悪する新知見を得た。多価不飽和脂肪酸のAA、EPA、DHAには多くの代謝物が存在するが、アレルギー性鼻炎における役割については不明な点が多い。 本研究は、アレルギー性鼻炎の鼻内におけるこれら代謝物の作用を解析し、脂肪酸代謝物をターゲットにした新規治療法の開発に繋げる。新規脂肪酸代謝物のTh2細胞やILC2に対する働き、受容体の同定、作用機序、アレルギーモデルマウスに対する作用を解明することで、好酸球性副鼻腔炎や喘息、アトピー性皮膚炎などの病態解明や治療法開発にも応用できる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
多価不飽和脂肪酸のアラキドン酸(AA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)には、多くの代謝物が存在する。アレルギー性鼻炎の病態において、AA代謝物であるプロスタグランジンD2やシステイニルロイコトリエンなどがアレルギー炎症を増悪することが知られているが、その他多数存在する脂質代謝物の働きについてはほとんどわかっていない。 アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜をアレルゲンで刺激し、回収した鼻腔洗浄液中における脂質代謝物を経時的・網羅的に測定・解析し、アレルギー性鼻炎の病態に関わる新規候補メディエーターを探索した。その結果、複数の候補メディエーターが浮上し、なかでも候補Aに着目した。 in vitro実験として、気道2型に重要なヒト2型自然リンパ球(ILC2)に対する候補Aの作用について検討した。候補Aは、IL-33で刺激したILC2からの2型サイトカイン産生を抑制した。その抑制作用については、ある受容体を介していると考えており、その候補受容体の発現をフローサイトメーターやRT-PCR法を用いて解析し、受容体阻害薬を用いたin vitro解析を行っている。 BALB/cマウスを用いたin vivo実験として、IL-33を点鼻投与したマウス鼻粘膜の好酸球浸潤や粘液産生に対する候補Aの作用を検討している。IL-33を点鼻投与したマウス鼻粘膜の冠状切片を作成し、シリウスレッド染色を用いて好酸球浸潤を評価し、AB-PAS染色を用いて粘液産生を評価した。また気管支肺胞洗浄液や肺組織を回収し、それらに含まれる2型サイトカイン産生をELISA法で評価した。候補Aの投与量を変えて点鼻投与し、IL-33点鼻によるマウス気道の2型炎症に対する作用について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも述べた通り、アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜をアレルゲンで刺激し、回収した鼻腔洗浄液中における脂質代謝物を経時的・網羅的に解析し、アレルギー性鼻炎の病態に関わる複数の新規候補メディエーターを見つけ出した。そのうち候補Aに着目して解析を開始した。 in vitro実験の結果、候補AによるILC2に対する抑制作用を見出した。ILC2における候補Aの受容体の解析や、細胞内分子機構の解明は検討段階である。 IL-33を点鼻投与したBALB/cマウスを用い、in vivo実験も開始している。候補Aをマウスに点鼻投与することで、マウス気道2型炎症に対する候補Aの作用について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験では、ILC2に対する候補Aの受容体の検討や、細胞内分子機構の解明といった検討課題について進めていく。 in vivo実験では、IL-33を点鼻投与したBALB/cマウスに対する候補Aの作用についてすでに取り組んでおり、さらなる検討を進めていく。
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