Project/Area Number |
23K08948
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 久幸 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50351060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 崇 藤田医科大学, がん医療研究センター, 准教授 (10402562)
楯谷 一郎 藤田医科大学, 医学部, 教授 (20526363)
日江井 裕介 藤田医科大学, 医学部, 助教 (20831027)
柳 久乃 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40868949)
九鬼 伴樹 藤田医科大学, 医学部, 助教 (60897354)
森 茂彰 藤田医科大学, 医学部, 助教 (60973823)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / 治療抵抗性癌細胞 / 遺伝子解析 / 患者腫瘍組織移植モデル / 治療効果 |
Outline of Research at the Start |
頭頸部癌の治療は、外科的治療と放射線治療、薬物療法の集学的治療が行われる。薬物療法や放射線治療の効果を事前に予測するのは難しく、患者各個人に最適な治療を選択する方法は確立されていない。本研究では、多様な頭頸部扁平上皮癌のPDXモデルライブラリーを樹立し、抗がん剤、放射線の治療処理に対して抵抗性を有する癌細胞(治療抵抗性癌細胞)から成る腫瘍を作製する。治療抵抗性癌細胞に特徴的な遺伝子群を同定し、それらの遺伝子群の治療効果を予測するバイオマーカーとしての有用性をPDXと患者の治療成績で明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌の治療は、外科的治療と放射線治療、薬物療法の集学的治療が行われる。本研究では、多様な頭頸部扁平上皮癌のPDX(Patient derived xenograft)モデルライブラリーを樹立した後に、治療抵抗性癌細胞に特徴的な遺伝子群を同定し、それらの遺伝子群の治療効果を予測するバイオマーカーとしての有用性を、PDXと患者の治療成績で明らかにすることを目標としている。 本年度は、頭頸部癌PDXモデルの作製に従事し、ライブラリーの構築を目的とした。藤田医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診する患者のうち、扁平上皮癌と診断された患者から手術検体の提供を受け、腫瘍片を高度免疫不全マウスの皮下に移植し、PDXの作製を行った。2023年度までに63症例のPDXの作製を試み、これまでに40症例の生着を確認した(残りの大部分は現在経過観察中である)。PDXの作製に成功した癌種の約半数は口腔癌で、咽頭癌や喉頭癌、鼻腔癌などが含まれた。患者の癌種やTNM分類によって、マウスへの生着効率に大きな差は認められず、偏りのないPDX群を作製することに成功した。さらに、手術検体と同時に、提供患者の既往歴など様々な臨床情報を取得し、PDXと紐づいた状態で管理した。また、作製したPDXは組織学的な解析により、元の患者腫瘍との類似性を全て確認した。一方で、免疫不全マウスの皮下で腫瘍を形成しない症例、腫瘍がリンパ腫に置換される症例が数例あった。本年度までに作製した頭頸部扁平上皮癌のPDXライブラリーは国内最大級の規模を誇っている。 現在、樹立したPDXを用いて、頭頸部扁平上皮癌の第一選択薬であるシスプラチン感受性試験を行なっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、60症例以上の頭頸部扁平上皮癌の患者から手術検体の提供を受け、高度免疫不全マウスに移植してきた。経過観察中の個体を除き、生着率大凡80%という高効率でPDXの作製に成功しており、すでに国内最大級の症例数を誇るPDXライブラリーを樹立した。また、これらのPDXは様々な臨床情報が紐づいていることに加え、元の患者腫瘍の特性を保持していることを病理学的に確認した。さらに、樹立したPDXを用いて、薬剤感受性試験や薬剤耐性の腫瘍を作製する研究に取り組んでいる。これらの進捗状況を鑑み、本研究は順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きPDXの新規作製を進め、PDXライブラリーの拡充を進める。PDXは数代継代した時点で樹立したと定義されるため、生着が確認できたPDXから順次継代を進めるとともに継代による遺伝子変異の変化や病理学的な解析を行い、PDXライブラリーの性状解析を進める。また、樹立したPDXを用いて、シスプラチンなど抗がん剤や放射線照射に対する感受性を検討し、治療に抵抗性を有する腫瘍を作製する。さらに、作製した治療感受性腫瘍の遺伝子発現をRNAシーケンスにより解析し、治療抵抗性を特徴づける遺伝子を同定する研究にも着手する。
|