頭頸部癌特異的T細胞を活用した複合型免疫療法の開発
Project/Area Number |
23K08977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
熊井 琢美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00596306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90280867)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 頭頸部癌 / 腫瘍免疫 |
Outline of Research at the Start |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の成功に伴い、頭頸部癌に対して抗腫瘍免疫が有効であることが証明された。しかし、その奏効率は2割前後でしかなく、自己免疫疾患の惹起や有効例の選別困難などの問題点が明らかとなった。より有効かつ副作用の少ない免疫療法を開発するためには、腫瘍特異的免疫の賦活化が必須である。本研究では、マウス頭頸部癌モデルおよびヒト末梢血由来T細胞を用いて、頭頸部癌特異的T細胞を活用した複合的免疫療法を開発する。本研究により、頭頸部癌に対するペプチドワクチンと養子免疫療法の基盤が確立される。
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Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌は世界で6番目に多い癌腫であり、年間45万人が本疾患で命を落としている。手術や抗癌剤、放射線療法がその治療を担っているが、再発や転移をきたす進行例の予後は極めて不良である。2017年、頭頸部癌に対してPD-1シグナリングを阻害する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が承認され、標準治療への抵抗例において臨床上の治療効果が示された。 ICIによる臨床試験の結果から頭頸部癌が抗腫瘍免疫の標的となりえることが証明されたが、その奏効率は2割前後であり約8割の症例では臨床効果を認めていない。ICIの根本的な欠点は、この治療によって賦活化される免疫細胞が腫瘍特異的ではないことである。より有効かつ副作用の少ない免疫療法を開発するためには、腫瘍特異的免疫の賦活化が必須である。本研究では、マウス頭頸部癌モデルおよびヒト末梢血由来T細胞を用いて、頭頸部癌特異的T細胞を活用した複合的免疫療法を開発する。具体的には、頭頸部癌由来ペプチドにパターン認識受容体リガンドや共刺激分子、抗癌剤、分子標的薬を複合的に組み合わせ、抗腫瘍T細胞をin vivoおよびin vitroで増殖させるプロトコルを作成する。本研究により、頭頸部癌に対するペプチドワクチンと養子免疫療法の基盤が確立される。また頭頸部癌特異的T細胞の検出法を最適化することで、ICI治療時におけるT細胞の動態およびバイオマーカーとしての有効性に関しても明らかとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・頭頸部癌に発現している抗原および抗原由来エピトープペプチドの探索 養子免疫療法やペプチドワクチン、そして頭頸部癌特異的T細胞を用いたICIのバイオマーカー探索において、頭頸部癌由来のエピトープ同定が必須である。本研究では汎用性が高い免疫療法の開発を目指し、頭頸部癌に広く発現する成長因子や上皮系分子を標的した。 マウス頭頸部癌細胞(MOC1、MOC2)に発現している腫瘍抗原をWestern blotやフローサイトメトリー、PCRで確認した。同定した腫瘍抗原のアミノ酸配列の中から、データベース解析(Immune epitope databaseおよびSYFPEITHI)を用いてMHCに結合可能なエピトープを推定した。申請者はMOC1がc-MetおよびMHC分子を発現しており、またマウスc-Met由来キラーおよびヘルパーエピトープを同定している。より抗原性が高いエピトープを探索するため、その他の抗原(EpCAMなど)についても解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
・ペプチドを用いた頭頸部癌特異的T細胞の誘導および検出 これまで同定したエピトープの抗原性を確認する。マウス骨髄液よりGM-CSF/IL-4で誘導した樹状細胞にエピトープを提示させ、脾臓から磁気ビーズで分離したT細胞を刺激する。限界希釈法でT細胞クローンを樹立し、エピトープおよび頭頸部癌細胞への反応性をELISPOTや細胞内フローサイトメトリーによるサイトカイン産生で評価する。申請者はPreliminaryな結果として、マウスc-Metエピトープが抗原特異的T細胞を誘導可能であり、頭頸部癌細胞を認識することを見出した。抗原特異的T細胞の検出を簡便化するため、同定したマウスエピトープもしくは申請者が有するヒト頭頸部癌エピトープとPE標識MHCモノマーを結合させ、テトラマーの作成を行う。腫瘍関連抗原の免疫原性が低い場合は、癌精巣抗原や腫瘍幹細胞抗原に抗原を切り替えることで免疫原性を担保する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)