Project/Area Number |
23K08994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 滋 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70306108)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 難聴 / 鰓耳腎症候群 / 耳小骨 / 感覚器形成 / 頭部中胚葉 / 神経堤 / Six1 / ホメオボックス遺伝子 / 内耳形成 / 間葉シグナル |
Outline of Research at the Start |
Six1は内耳と耳小骨形成に関与する聴覚器形成の鍵遺伝子である。内耳が小さく旋回運動を示す耳胞特異的Six1欠損マウスと、よりシビアな表現型の全身性欠損マウスの比較から、「間葉で発現するSix1が内耳形成に寄与する」という新たな概念が示唆される。本研究は、間葉特異的なSix1欠損個体と耳胞特異的欠損個体の聴覚、形態、細胞・分子レベルでの違いを明確にする。Six1がどのようなシグナルを介して内耳形成に作用し、中耳骨をつくり出すのか、Six1の聴覚器形成における機能の全体像を解明する。本研究は難聴の発症機序の理解に貢献し、新規間葉シグナルの解明は内耳組織の効率的な分化誘導への活用が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
SIX1は難聴と鰓耳腎症候群の原因遺伝子であり、領域特異性のある耳胞の形成、感覚神経と有毛細胞を適時適所につくり出すことができる聴覚器形成の鍵遺伝子である。しかし、間葉で発現するSix1の耳小骨形成における役割は不明である。また、最近作製した突然変異マウスの表現型から間葉で発現するSix1が内耳形成に関与することも示唆されるが、そのメカニズムもわかっていない。そこで本研究では、耳胞~内耳周辺の間葉細胞で発現するSix1がどのような細胞の性質や分泌シグナルを制御しているのかを明確にして、Six1が感覚上皮だけでなく間葉でもはたらくことで複雑な中耳骨や内耳構造を形成するのか、すなわち、聴覚器形成の鍵遺伝子Six1の作用メカニズムの全容解明を目指している。 Six1の発現は耳プラコード予定域、耳プラコード、耳胞腹側、感覚神経の各々に特異的なエンハンサーによって制御され、少なくとも5種のエンハンサーが順次はたらくことで継続する。Six1の耳胞特異的エンハンサーにはATAC1(耳プラコード予定域->耳プラコード->耳胞腹側で転写を活性化)とATAC2(耳胞腹側で転写を活性化)がある。この2つのエンハンサーを欠失する耳胞特異的Six1欠損マウス(理研BRC・天野孝紀先生)の解析を行った。当該マウスは内耳が小さく、旋回運動(circling)や首振り(head tossing)という前庭機能障害を示すことを発見した。現在詳細な組織化学的解析を進めている。また、マウスの解析に時間がかかることがわかったため、ニワトリ胚を用いた間葉シグナルの同定方法についても検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子組換えマウスの交配と解析に計画よりも時間がかかることがわかった。そのため、ニワトリ胚を用いた頭部中胚葉や咽頭内胚葉に由来するシグナルの同定方法についても検討を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスとニワトリ胚を用いた解析を並行して行う。ニワトリ胚の耳小骨は耳小柱という一つの骨からなっており、哺乳類とは違いが見られるが、胚操作の容易さ、耳小柱の発生に関する先行研究等もある。そのため、ニワトリを用いた詳細な解析を行いマウスでの結果と比較することで、耳小骨の形成に関わるシグナルの同定だけでなく、進化の過程で耳小骨が形を変えてきた仕組みの一端も明らかになるのではないかと期待している。
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