Project/Area Number |
23K09008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寺西 慎一郎 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90649360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和博 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60335255)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 緑内障治療 / 緑内障インプラント手術 / 創傷治癒 / 線維性被膜 / 房水濾過障害 / ティッシュエンジニアリング / 三次元培養 / 自家テノンシート / 緑内障濾過手術 |
Outline of Research at the Start |
緑内障インプラント手術は難治性緑内障を適応とする最終治療手段であるが本術式をもってしても眼圧の再上昇を生じて失明に至る。この眼圧再上昇の原因は、創傷治癒過を起点とした肉芽腫反応によってインプラント周囲に形成される線維性被膜による房水の濾過障害である。研究者らは、初代培養のヒトテノン線維芽細胞の長期培養系を開発しており、特殊な材料を用いた三次元培養にて数層からなるシート様構造を確認している。本研究で術後眼圧上昇の原因となるインプラント周囲に形成される線維性被膜形成の分子機序を明らかにし、自家テノンシートを応用した新規緑内障濾過手術の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
緑内障治療は眼圧下降による進行抑制を目的とし、薬物治療による眼圧下降が奏功しない場合は緑内障手術が行われる。緑内障インプラント手術は難治性緑内障を適応とする最終治療手段である。しかし本術式をもってしても眼圧の再上昇を生じて失明に至る。この眼圧再上昇の原因は、創傷治癒過を起点とした肉芽腫反応によってインプラント周囲に形成される線維性被膜による房水の濾過障害である。本年度の研究の目的は、術後眼圧上昇の原因となるインプラント周囲に形成される線維性被膜形成の分子機序を明らかにすることとした。 まずは、in vitroで、ヒトテノン線維芽細胞でのTGF-β1で刺激後、発現変化する分子について、mRNAシークエンスにて網羅的に解析した。上皮間葉系移行や線維化に関与する複数の分子群の発現変化を同定した。同時に、サイトカイン、ケモカインの発現を指標にMulti-plex法にて同様に検討したところ、いくつかの炎症関連分子の発現亢進を認めた。さらに、in vivoモデルとして、これまで我々が開発してきたマイクロシリコンチューブを用いた緑内障濾過手術モデルの改良を試みた。ウサギ緑内障インプラント手術モデルとして、耳側の結膜下にチューブシャントプレートを挿入することを試みた。ウサギでは、プレートに対する眼球のサイズが小さいため、今後プレートをさらに加工する必要性があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリコンプレート上に播種した常在細胞であるテノン線維芽細胞を用いて、TGF-β1刺激による炎症反応について、サイトカイン、ケモカインの発現を指標にMulti-plex法にてまずは網羅的に検討した。さらに、テノン線維芽細胞におけるTGF-β1刺激による分子発現のプロファイリングを網羅的に解析するため、mRNAシークエンス解析を施行した。また、解析途中であるが、上皮間葉系移行や線維化に関与する複数の分子群の発現変化を同定した。さらに、複数のこれまで報告のない、分子の発現変化を認めた。in vivoモデルとして、これまで我々が開発してきたマイクロシリコンチューブを用いた緑内障濾過手術モデルの改良のため、耳側の結膜下に人用のチューブシャントプレートを挿入することを試みた。ウサギでは、プレートに対する眼球のサイズが小さいため、プレートの固定や挿入が安定せず、今後の検討が必要であることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はマイクロシリコンチューブを用いた緑内障濾過手術モデルを用いた研究をこれまで行ってきた。このモデルを改良して、さらにシリコンプレートを眼球前方に設置したウサギ緑内障インプラント手術モデルの作成を継続的に行う。十分なプレートの固定と安定的な房水ろ過が得られる条件を見出し、この新規動物モデルにて角結膜組織における術後炎症や細胞間の相互作用、プレート周囲の線維被膜形成や被膜周辺の瘢痕性組織増殖について生化学および形態学、病理組織学的に検討する。生化学的には、炎症性サイトカイン、ケモカインおよび成長因子などの発現をReal-time PCR, multi-plex systemなどを用いて検討する。さらに、線維瘢痕化、上皮間葉系移行の分子マーカーである細胞外基質のコラーゲン、フィブロネクチン、alpha-平滑筋アクチンやビメンチンなどの発現を同様に検討する。さらに、in vitroではTGF-β1刺激下でのテノン線維芽細胞に発現変化する分子群の網羅的解析結果をさらに検討を加え、新たなシグナル経路、分子の同定を試みる。
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