Project/Area Number |
23K09057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白矢 智靖 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (60572394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 高志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90631573)
戸塚 清人 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (90909970)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 網膜レーザー / 糖尿病網膜症 / heat shock protein / 糖尿病黄斑浮腫 / miRNA / 閾値下レーザー / 熱ショック蛋白 |
Outline of Research at the Start |
我々は以前に培養ヒト網膜色素上皮細胞に対して従来法と閾値下レーザー(SMPL)による照射を行い、RNAシーケンスによる網羅的遺伝子解析を行った。その結果を踏まえ、本研究ではSMPLによって既に発現上昇が確認されているマイクロRNA(miRNA)を糖尿病(DR)モデル細胞に導入を行い、治療として有益な作用が認められるものを選別し、その制御因子となる遺伝子の検証からSMPLの奏功機序を解明する。さらに、選別したmiRNAをDRモデル動物に対しても導入を行い、網膜に及ぼす分子・組織学的評価から新規治療としての可能性を見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療は抗・血管内皮増殖因子(VEGF)療法が標準治療であるものの、一定の 反応抵抗例が存在し、治療選択肢の拡大が課題といえる。近年では低侵襲黄斑レーザー治療であるマイクロパルスを用いた閾値下レーザー(subthreshold micropulse laser: SMPL)が注目されているが、このSMPLも温熱作用をもたらすため、出力が高くなると容易にRPE細胞死を生じることが分かった。現在で最も望ましい黄斑レーザー治療となり得るSMPLだが今後も改良の余地がある。 我々はこれまでにSMPLによって特定のマイクロRNA(miRNA, miR)が発現上昇することを見出した。培養網膜色素上皮(RPE)細胞の高グルコース負荷モデル、および糖尿病モデルマウスに対して、これらのmiRNAの導入を行い、制御因子となる遺伝子の検証を行うことでSMPLの奏功機序の解明とともに、黄斑レーザーのように温熱作用を利用しないDMEに対する新規核酸治療の可能性を評価する。 グルコース誘導によるDRモデル細胞の確立のため、mRNAレベルでのVEGF発現やその他の炎症性サイトカインの発現上昇、経上皮電気抵抗(TEER)から評価を行い、糖尿病網膜症(DR)としての現象を確認した。このDR細胞モデルを用いて、同定されたmiRNAのARPE-19細胞へのトランスフェクションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の初年度において、グルコース誘導によって有用なDRモデル細胞の確立がなされた。ARPE-19培養細胞に対して高グルコース及びデフェロキサミン酸塩を付加し、24時間培養において、mRNAレベルでVEGFやその他の炎症性サイトカインの発現上昇、HSP70の発現低下を認めた。細胞機能的な評価として、経上皮電気抵抗(TEER)の低下が認められ、DRモデルにおける網膜色素上皮細胞の細胞間接着強度の低下に似た現象と考えられた。ただし、過去の研究で同定したmiRNA(ARPE細胞へのSMPL照射によって変動する遺伝子をRNAシーケンスを用いて網羅的に解析した)をARPE-19細胞にトランスフェクションを行ったが、通常培養条件下ではHSP70の発現上昇かつVEGFの発現低下の組み合わせを呈するmiRNAは現在のところ確認できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の初年度において、グルコース誘導によるDRモデル細胞の確立が可能であったが、同定したmiRNAのARPE-19細胞へのトランスフェクションを行ったものの、通常培養条件下ではHSP70の発現上昇かつVEGFの発現低下の組み合わせを呈するmiRNAはなかった。 今後はDRモデル培養条件下で同様の検討を行う。また、これらのmiRNAのARPE-19細胞への作用を網羅的に検討するため、RNA-seqを用いた検討を実施している。
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