Project/Area Number |
23K09092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
飯田 千絵 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, リサーチアソシエイト (80749325)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | メラノサイト / 細胞シート / 創傷治癒 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、メラノサイトの機能と創傷治癒や瘢痕形成への関連性を細胞シートを使用して調査するものである。すでにケラチノサイトにメラノサイトを含有した細胞シートの方が収縮が少なかったという報告があるが、人種間を考えればメラノサイトの機能が低い方がその収縮がさらに抑えられることが予想される。メラノサイトの含有有無および機能の強弱で生じる差を比較し、複雑なメラノサイトの機能を明らかにすることを目指す。さらに臨床応用に向けて、最適な細胞シートの作製条件を確立する。 本研究の結果は、メラノサイトの機能コントロールによる治療法や、瘢痕の少ない培養表皮への改良など、より美しい皮膚の再生医療へ貢献しうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
人種間でケロイドや肥厚性瘢痕の発生率に違いがある原因は、真皮の組織学的違いが要因と考えられているが、ユーラシア系人種とアジア系人種には組織学的に有意な差がないなど、真皮の違いだけでは説明しきれない。本研究は、人種間の大きな違いであるメラノサイトの機能と創傷治癒や瘢痕形成への関連性を、自家培養表皮で注目される細胞シートを使用して調査するものである。メラノサイトの含有有無および機能の強弱で生じる差を比較し、複雑なメラノサイトの機能を明らかにすることを目指す。さらに臨床応用に向けて、最適な細胞シートの作製条件を確立する。 以下の研究計画を立てている。①メラノサイトの機能を亢進・減弱させる方法、および機能の変化を確認する評価方法を確立する。②メラノサイトとケラチノサイトを混合した細胞シートを作成し、①で得られたメラノサイト機能亢進・減弱の条件下でシートを浮遊させて生じる収縮の差を測定する。③マウスの頭頂の皮膚もしくは腹壁の欠損部に細胞シートを移植し、創傷治癒や瘢痕形成の過程を評価する。 現在、①と②の研究を実施中である。市販の培養液と当研究室で自作した培養液にて培養したメラノサイトではメラニン量が異なることを確認した。ほか、ELISAによる上清αMSHの測定、DOPA反応を利用したチロシナーゼ活性量の測定などの手法を確立中である。今後は、ほかの条件にて、これらの測定値が異なることを調査していきたい。また②として、改めてメラノサイト・ケラチノサイト混合シートでは、ケラチノサイト単体シートより収縮が抑えられていることを確認した。今後はシートの収縮が、メラノサイトの環境で異なるかを調査する予定である。③については、まだ開始していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載した計画①から③のなか、現在、①と②の研究を実施中である。メラニン量については測定方法が確立できたが、ELISAによる上清αMSHの測定、DOPA反応を利用したチロシナーゼ活性量の測定などでは、方法が確立していなかったり、メラノサイトの環境による差異が顕著でなく、今後検討が必要である。また②として、改めてメラノサイト・ケラチノサイト混合シートでは、ケラチノサイト単体シートより収縮が抑えられていることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
①については、各測定方法が確立後、メラノサイトの環境による差異を測定して報告したい。②については、シートの収縮が、メラノサイトの数、環境で異なるかを調査するため、現在細胞を準備中である。またアフリカ系人種のメラノサイトも購入し、①②の方法にて、アジア系との違いを測定する予定である。 ③についてはまだ開始しておらず、今年中に瘢痕拘縮モデルマウスを作製し、さらに得られた組織のPCR測定方法を確認したい。
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