Regulatory mechanism of anti-resorptive agents on bone metabolism associated with vascular function in bone
Project/Area Number |
23K09114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関口 珠希 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80580943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 智香 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (50739349)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 骨特異的血管 / ビスホスホネート / 抗RANKL中和抗体 / 血管周囲細胞 / 骨代謝 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、骨粗鬆症治療で用いられる骨吸収抑制剤(ビスホスホネート、抗RANKL中和抗体製剤)による骨の血管系に対する作用について、動物モデルを用いたin vivo画像イメージング解析を中心に解明することで、骨吸収抑制剤による骨血管連関(血管系と骨芽細胞・破骨細胞など骨の細胞群による相互作用)および骨代謝調節機構の可能性について明らかにしてゆく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、骨粗鬆症治療で用いられる骨吸収抑制剤(ビスホスホネート、抗RANKL中和抗体製剤)による骨の血管系に対する作用について、動物モデルを用いたin vivo画像イメージング解析を中心に解明することで、骨吸収抑制剤による骨血管連関(血管系と骨芽細胞・破骨細胞など骨の細胞群による相互作用)および骨代謝調節機構の可能性について明らかにすることを目的としている。補助事業期間初年度の令和5年度は、ビスホスホネート製剤が骨の血管系に及ぼす影響を明らかにするため、野生型マウスに、溶媒、または、アレンドロネートを皮下投与し、大腿骨や脛骨など長管骨を組織学的・微細構造学的に解析した。その結果、アレンドロネート投与マウスでは、大腿骨骨幹端部においてCD31陽性・endomucin陽性骨特異的血管の管腔径や管腔面積が減少するとともに、血管内腔への小胞形成など血管壁の形態異常が誘導されていた。また、血管管腔の維持・形成ならびに血管新生に関わる遺伝子群の発現を解析したところ、血管内皮細胞間の接着因子であるCdh5(Ve-cadherin)の発現に変化が認められないものの、血管壁の三次元的な管腔形態維持に関わるEndomucinやその転写因子であるGata2、血管平滑筋細胞のマーカーであるActa2、血管新生抑制因子であるVash1の発現が上昇していた。このことから、アレンドロネート投与により、血管壁の形態異常誘導ならびに血管新生抑制が生じる一方、血管の形態異常を修復しようとする機構が働いている可能性が推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレンドロネート投与マウスの長管骨を組織学的に解析したところ、CD31陽性・endomucin陽性骨特異的血管の管腔径や管腔面積の減少や血管壁の微細構造異常が観察された。また、血管の管腔形態維持や血管新生に関わる遺伝子群の発現変動も認められ、アレンドロネートが骨の細胞群のみならず血管系にも作用する可能性が示唆された。また、このような異常は、骨幹端部の成長板軟骨直下の領域よりも成長板軟骨からやや離れた領域でより著明に認められた。骨の血管は、部位により異なる機能を有する可能性が報告されており、アレンドロネートの反応性も異なる可能性が推測される。また、血管周囲に存在する骨の細胞群への影響についても検索を進めており、preliminaryなデータとして、本実験のアレンドロネート投与量・投与期間では、特に成長板軟骨からやや離れた領域で、endomucin陽性骨特異的血管のみならずTRAP陽性破骨細胞が減少すること、また、ALP陽性骨芽細胞系細胞も減少することを見出している。次年度では、endomucin陽性骨特異的血管が、血管周囲に存在する骨芽細胞系細胞(ストローマ細胞を含む)や破骨細胞の分化や機能調節を行う可能性について、関連する因子の蛋白局在や遺伝子発現の変化を解析してゆきたい。また、同様に、抗RANKL中和抗体製剤投与マウスにおける骨の血管系の変化について解析を進めてゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究成果では、アレンドロネート投与によってendomucin陽性血管の形態異常や蛋白・遺伝子発現が生じていた。これらの変化がアレンドロネートの直接作用であるのか、あるいは、骨の細胞群を介した間接作用であるのかを明らかにする目的で、株化血管内皮細胞株(MS-1細胞)に、アレンドロネートを添加して培養し、in vivo実験と同様の変化が生じるかを検索してゆく。また、アレンドロネート投与後の骨特異的血管が血管周囲に存在する骨芽細胞系細胞(ストローマ細胞を含む)、また、破骨細胞の分化や機能調節を行う可能性について、血管から骨芽細胞系細胞に対しては、カップリングや分化関連因子(ephrinB2/EphB4, notch/HIF1α, Runx2/Osterix/ALP, Ki67/PCNA)、細胞増殖(BrdUの取り込み)などを中心に解析する。一方、血管系から破骨細胞に対しては、RANK/RANKLシグナルをはじめ、Semaphorin3A,Wnt5a/Ror2シグナルなどを解析してゆく。また、抗RANKL中和抗体製剤投与マウスにおける骨の血管系の変化について、成獣マウスに抗RANKL中和抗体を投与した動物モデルを作成し、アレンドロネート投与マウスと同様に、endomucin, CD31, αSMA, ALPなどの各種免疫組織化学や透過型電子顕微鏡・超解像顕微鏡による微細構造解析、各種遺伝子発現解析を実施して、血管の形態異常や蛋白遺伝子発現変化を解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)