口腔扁平上皮癌細胞の癌微小環境における細胞外小胞を介した浸潤・転移誘導機構の解明
Project/Area Number |
23K09126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石崎 明 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 太朗 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00317570)
横田 聖司 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50802401)
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (80326694)
小松 祐子 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (90781625)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ヒト口腔扁平上皮癌細胞 / エクソソーム / オンコソーム / 間葉系幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
腫瘍と間葉系幹細胞(MSC)との相互作用では、細胞外小胞(EV)内包成分に誘導された細胞内シグナルが統合的に働いて、腫瘍細胞の悪性化を誘導することが、乳癌や大腸癌で報告されている。しかし、EVを介したヒト口腔扁平上皮癌(hOSCC)細胞とMSCとの相互作用の詳細については、不明なままである。そこで、MSC由来ExosomeやhOSCC細胞由来Oncosomeを介した腫瘍細胞とMSCとの相互作用によるhOSCCの悪性度増強メカニズムの詳細について、分子レベルで明らかとする。これらの研究成果により、EVに着目した新たなhOSCC抗浸潤・転移療法樹立のための分子基盤を確立したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞外小胞(EV)に着目した新たなhOSCC抗浸潤・転移療法樹立のための分子基盤を確立することを目的としている。詳しくは、間葉系幹細胞(MSC)由来Exosome(エクソソーム)やヒト口腔扁平上皮癌細胞 (hOSCC)細胞由来Oncosome(オンコソーム)を介した腫瘍細胞とMSCとの相互作用によるhOSCCの悪性度増強メカニズムの詳細を明確にしたいと考えている。 このため、2023年度には、本研究計画の最初の段階として、低浸潤・低転移能を示すhOSCC由来のOncosome内包成分(タンパク質、mRNA、miRNA並びにlncRNA)と、このhOSCC細胞から派生した高浸潤・高転移能を示すhOSCC由来のOncosome内包成分との質的・量的な相違点について網羅的な調査を開始した。 具体的には、hOSCC細胞であるHSC-3細胞と、このHSC-3細胞から派生した高浸潤・高転移能を示すLMF4細胞との間で浸潤・転移に関わることが知られている遺伝子のうちで、発現頻度差が大きいものについて、網羅的な解析を実施した。プライマーアレイを用いた実験結果から、HSC-3細胞と比較してLMF4細胞では癌抑制遺伝子の産生が強く抑制されていることを明らかとして、学術誌や学会で報告した。この研究と並行して、HSC-3細胞とLMF4細胞の培養上清を回収後、超遠心分離法にて、オンコソームを回収し、現在、このオンコソームの回収法の適切性を確認しているところである。今後、上記のプライマーアレイの結果とオンコソーム由来mRNAを用いた網羅的遺伝子発現頻度差解析の結果を比較し、適切にオンコソーム回収ができているかどうかを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の通りに、低浸潤・低転移能を示すhOSCC由来のOncosome内包成分(タンパク質、mRNA、miRNA並びにlncRNA)と、このhOSCC細胞から派生した高浸潤・高転移能を示すhOSCC由来のOncosome内包成分との質的・量的な相違点について網羅的な調査を開始した。とくに、2023年度には、この研究の準備研究としてのhOSCCにおける網羅的遺伝子発現頻度差解析を実施したが、hOSCC由来のOncosome内包成分の網羅的な調査の進行に若干の遅れが出ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、下記の①から④の研究計画を順に実施する。①:低浸潤・低転移能を示すhOSCC由来のOncosome内包成分(タンパク質、mRNA、miRNA並びにlncRNA)と、このhOSCC細胞から派生した高浸潤・高転移能を示すhOSCC由来のOncosome内包成分との質的・量的な相違点について網羅的に解明する。②:①で用いた浸潤・転移能が異なるhOSCC細胞のそれぞれから由来するOncosomeのMSCへの影響により、MSC由来Exosomeの内包成分が質的・量的にどのように変化するのか網羅的に解明する。③:②でOncosomeにより影響を受けたMSC由来Exosomeが、hOSCCの腫瘍性にどのように影響するかについて解明する。④:hOSCCの浸潤能・転移能の亢進との係りが深いとされるOncosome内包型分泌小胞の細胞内輸送の活性化を制御する分子メカニズムを解明する。2023年度には、当初の予定通りに上記①の研究を開始した。今後も、この予定の通りに本研究を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)