ナノハイドロキシアパタイト含有レジンを応用した歯周組織再生誘導型歯質接着材の開発
Project/Area Number |
23K09171
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉井 英樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80802280)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 英史 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10284514)
友清 淳 九州大学, 大学病院, 講師 (20507777)
長谷川 大学 九州大学, 大学病院, 講師 (20757992)
濱野 さゆり 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40757978)
糸山 知宏 九州大学, 大学病院, 助教 (50884433)
兼子 大志 九州大学, 大学病院, 助教 (50962495)
藤野 翔香 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員 (60883832)
小幡 純子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70759448)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | nano hydroxyapatite / シャーピー線維 / セメント質 / 歯根膜幹細胞 / naHAp / SB / 破折歯修復 |
Outline of Research at the Start |
naHAp/SBがセメント質・歯根膜誘導型の新規材料として、破折歯の治療に応用できるとの仮説を立て、naHAp/SBを破折歯の治療に応用し、naHAp/SBのセメント質・歯根膜再生能を明らかにすることを計画した。まず、in vitroにて、歯根膜幹細胞(PDLSCs)を用いて、naHAp/SBが、その歯質接着能、生体親和性、機械的強度、および生体活性(セメント質および歯根膜形成誘導能)に及ぼす影響について解析を行う。その後、in vivoにて、当研究室で樹立したラット歯周組織欠損モデルを応用し、ラット臼歯部歯根破折歯モデルを作製する。同動物モデルを用いて、破折部周囲の組織の治癒状態を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
naHAp/SBの生体親和性に関しては、30%naHAp/SBが歯根膜幹細胞(PDLSC)の増殖能および接着能に及ぼす影響ついて検証を行った。その結果、10%または30%naHAp/SBはSBと同等の細胞増殖能および細胞増殖関連遺伝子 (CCND1、CCNE1およびCDKN3) の発現を有することが明らかとなった。 次に、naHAp/SBの生体活性(セメント質および歯根膜形成誘導能)に関する評価を行った。10%または30%naHAp/SBは、SBと比較してセメント質関連因子(CAP, CEMP1およびOCN)の遺伝子およびタンパク発現、および石灰化を促進した。以上の結果より、naHApが添加されることにより、SBの歯質接着性を維持した状態で、生体活性を上昇することが可能となることが示唆された。 ここまででえられた結果を基にして、30%naHAp/SBに着目し、当研究室で既に系が確立されている、ラット髄床底穿孔モデルを用いて穿孔部周囲の歯周組織の再生を観察したところ、30%naHAp/SBはSBと比較して、再生したセメント質様構造物の量が多く、シャーピー線維様の構造の再生も認められた。以上の結果より、30%naHAp/SBは新規の生体活性を有する歯質接着剤となりうる可能性が示唆された。本年度に得られた結果より、既にセメント質・歯根膜の再生能を有する可能性が示唆されているので、今後は、破折歯への応用が可能かどうかを精査するため、ラットの歯根破折モデルを用いて、破折部位周囲の歯周組織の再生に及ぼす影響を解析していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
元々予定していた実験のうち、naHAp/SBの生体親和性に関しては、30%naHAp/SBが歯根膜幹細胞(PDLSC)の増殖能および接着能に及ぼす影響ついて検証を行った。その結果、10%または30%naHAp/SBはSBと同等の細胞増殖能および細胞増殖関連遺伝子 (CCND1、CCNE1およびCDKN3) の発現を有することが明らかとなった。次に、naHAp/SBの生体活性(セメント質および歯根膜形成誘導能)に関する評価を行った。10%または30%naHAp/SBは、SBと比較してセメント質関連因子(CAP, CEMP1およびOCN)の遺伝子およびタンパク発現、および石灰化を促進した。以上の結果より、naHApが添加されることにより、SBの歯質接着性を維持した状態で、生体活性を上昇することが可能となることが示唆された。 ここまでの結果で予定していたin vitroの実験の半分は既に実施することができているので、順調に進んでいると思われる。 また、in vivo実験に関しては、30%naHAp/SBに着目し、当研究室で既に系が確立されている、ラット髄床底穿孔モデルを用いて穿孔部周囲の歯周組織の再生を観察したところ、30%naHAp/SBはSBと比較して、再生したセメント質様構造物の量が多く、シャーピー線維様の構造の再生も認められた。以上の結果より、30%naHAp/SBは新規の生体活性を有する歯質接着剤となりうる可能性が示唆された。既にセメント質・歯根膜の再生能を有する可能性が示唆されているので、今後は、ラットの歯根破折モデルを用いて、破折部位周囲の歯周組織の再生に及ぼす影響を解析していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度までの結果は以下のようになる。naHAp/SBの生体親和性に関しては、30%naHAp/SBが歯根膜幹細胞(PDLSC)の増殖能および接着能に及ぼす影響ついて検証を行った。その結果、10%または30%naHAp/SBはSBと同等の細胞増殖能および細胞増殖関連遺伝子 (CCND1、CCNE1およびCDKN3) の発現を有することが明らかとなった。 次に、naHAp/SBの生体活性(セメント質および歯根膜形成誘導能)に関する評価を行った。10%または30%naHAp/SBは、SBと比較してセメント質関連因子(CAP, CEMP1およびOCN)の遺伝子およびタンパク発現、および石灰化を促進した。以上の結果より、naHApが添加されることにより、SBの歯質接着性を維持した状態で、生体活性を上昇することが可能となることが示唆された。 ここまででえられた結果を基にして、30%naHAp/SBに着目し、当研究室で既に系が確立されている、ラット髄床底穿孔モデルを用いて穿孔部周囲の歯周組織の再生を観察したところ、30%naHAp/SBはSBと比較して、再生したセメント質様構造物の量が多く、シャーピー線維様の構造の再生も認められた。以上の結果より、30%naHAp/SBは新規の生体活性を有する歯質接着剤となりうる可能性が示唆された。 今後は、破折歯への応用が可能であるかを評価するため、ラットの歯根破折モデルを用いて、破折部位周囲の歯周組織の再生に及ぼす影響を解析していく予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
-
-
-
[Journal Article] Dopamine is involved in reparative dentin formation through odontoblastic differentiation of dental pulp stem cells2023
Author(s)
Shoko Fujino, Sayuri Hamano, Atsushi Tomokiyo, Risa Sugiura, Daiki Yamashita, Daigaku Hasegawa, Hideki Sugii , Shinsuke Fujii, Tomohiro Itoyama , Hirofumi Miyaji , Hidefumi Maeda
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 5668-5668
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-