Development of new periodontal examination method using gingival crevicular fluid (GCF).
Project/Area Number |
23K09189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
沼部 幸博 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (90198557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 弘 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30184683)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | NETs / 歯周病 / 好中球 / 歯肉溝滲出液 / AST / 遊離ヘモグロビン / P.gingivalis / 歯周組織検査 |
Outline of Research at the Start |
歯周病の新しい視点からの臨床検査の開発を目的とする。歯肉と歯との間隙から滲出する歯肉溝滲出液(以下GCF)を検査対象試料として,その中の酵素や炎症物質,そして好中球が歯周病原細菌や炎症マーカーの存在下で受けている影響を検索し,その変化と歯周組織の病態との関連を検索する。 その際,とくに組織の炎症部位の病態形成に関与すると考えられている白血球の1つである好中球における Neutrophil ExtracellularTraps (NETs)の発現状態を詳細に検討し,GCF中好中球のNETs検索に基づく新たな歯周病の病態検査法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究期間の初年度として、まずこれまで本研究グループで検討してきた、好中球におけるNeutrophil Extracellular Traps(NETs)発現の検索方法に関する確認を行った。 ヒト末梢血好中球に対しphorbol 12-myristate 13-acetate (以下 PMA)、P.gingivalis 由来 LPS ( PG-LPS) 、 Escherichia coli 由来 LPS (EC-LPS)で刺激した。その結果、好中球の細胞外に網目状に飛び出している構造物が確認され、また蛍光免疫染色とレーザー共焦点顕微鏡を用いてその構造物中にDNA、ヒストン、エラスターゼが観察され、それらの物質が濃度や条件によって好中球にNET発現を誘導することが確認できた。これらの結果から、歯周炎患者の歯周組織内に存在する好中球にもNETsが発現している可能性が示唆され、歯周病原細菌由来のLPSや様々な炎症物質とNET発現との関連、またその機能を検索する意義が高まった。 またそれと平行して、GCF中の炎症マーカーであるElastase, Aspartate aminotransferase(AST)の酵素活性の検出方法、遊離ヘモグロビン(炎症に伴う出血の有無の指標)の測定方法についての確認を行った。 加えて、患者の歯肉溝からの好中球採取のための機材(採取器械)の開発及び採取条件の検討を行い、安定してGCF中好中球を採取できることを確認した。これは歯肉溝または歯周ポケット内をHBSSにより反復洗浄し、その洗浄溶液中から好中球を回収する方法である。回収される好中球は末梢血中からの数ほど十分ではないが、その後のNETs検索が可能な量であり、また生細胞率も高いことから、この方法を今後採用して本研究を継続して行くこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画はほぼ順調に進行している。とくに好中球のNETs発現検索に関しては安定した結果が得られ、また新しい検索用のキットも市販されており、それらを併せて使用する事でより安定したデータが得られると考えられる。 また、歯肉溝からの好中球の採取(分離)方法について、従来筆頭研究者が考案した器械をさらに改良し、より多くの好中球を採取することが可能となっていることから、臨床現場での被験者からの試料採取についても予定通り行えると思われる。しかし、採取時間が30分から60分を要することから、被験者の状況(疲労など)を考え、時間があれば更なる改良を加えることが試料の数を順調に増やす鍵である。すなわち2年目は順調に被験者の協力のもと、試料採取が行えることが本研究の遂行にとって重要な課題となる。 加えて各種の解析方法の精度については、研究代表者および研究分担者等が、初年度の研究およびこれまで蓄積してきた手技をもってほぼ正確な試料解析が行えていることから、2年目でさらにデータを蓄積し、3年目の解析につなげることが可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究倫理審査委員会の承認後、歯周組織が健康な被験者および歯周病患者の協力を得て研究を進めて行く。 歯周組織検査と試料採取は各被験者の単根歯を対象とし、歯周組織健常者と歯周病患者の健常部位および歯周ポケット5mm以上の部位に対し、通法通りの歯周組織検査(プロービング、プラーク付着状態、歯肉炎指数、エックス線画像検査など)を行った後、対象部位のペーパーストリップスによるGCF試料の採取、採取器械によるGCF中の好中球(CPMN)の採取を行う。基本的には各被験者1口腔2部位ずつ、健常者の合計10部位、歯周病患者の合計10部位を検索目標とする。ただしCPMN採取には比較的時間がかかり、被験者の協力度合いにより1部位のみとなる可能性がある。 GCF試料中の酵素、炎症性サイトカインと潜血中の遊離ヘモグロビン量測定に関しては、Elastase, Aspartate aminotransferase(AST)およびIL-1βを対象に、Enzyme assay、ELISA法などを用いて酵素活性およびサイトカイン産生を調べる。またGCF中のヘモグロビン量は、ヘモグロビン比色測定キットを用いて測定する。 CPMNにおけるNETsの発現状態は、Neutrophil Extracellular Traps(NETs)Assay kitを用い、呈色状態をプレートリーダーにて測定し評価する予定である。またNETosis Imaging assay Kitを用い、NETsの発現状態を蛍光免疫染色後、共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡にて観察する。 さらに次年度の研究期間内に可能であれば、CPMNの歯周病原細菌に対するToll様受容体(TLR)の発現状態を、Human TLR2、TLR4 ELISA Kitを用いて解析し、最終年度のデータ解析に繋げる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)