Project/Area Number |
23K09193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (20432924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 富美 産業医科大学, 医学部, 教授 (50274436)
城戸 寛史 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (90169897)
加倉 加恵 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (90465740)
谷口 祐介 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (90780057)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | S1PR1 / 歯髄腔 / 石灰化 / S1P / AGEs |
Outline of Research at the Start |
高齢者には第二象牙質形成と髄腔狭窄がしばしば認められ、歯内治療では実体顕微鏡下での根管口探索など配慮を要することも多い。老化した組織や糖尿病の状態では「糖化」により、体内で恒常的に AGEs(糖化最終産物)が産生され、組織内に蓄積する。しかしながら、AGEsが象牙質形成や歯髄の石灰化変性に及ぼす影響についての報告は少ない。 本研究では、硬組織形成に関与するスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)シグナルに着目し、AGEsとの関わりが、象牙質形成や歯髄石灰化変性に及ぼす影響について検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
AGEsと象牙質形成、歯髄石灰化変性に関わるS1Pシグナルの影響についての検証を行う目的で、はじめに4週齢(若齢)と50週齢(老齢)のラットにおけるS1P受容体分布の比較検討を実施することとした。通法に従って下顎第一臼歯の組織標本を作製し、根尖部と歯髄腔における組織学的検討を行った(n=4)。HE染色、マッソントリクローム染色(コラーゲン線維)、および S1P 受容体 S1PR1、S1PR2の免疫組織染色を実施した。老齢ラットでは、歯髄腔は狭窄しコラーゲン線維に富んだ厚い象牙質壁、根尖付近の肥大化を認めた。歯髄腔における観察では、根管壁に沿ってS1PR1 陽性細胞が認められた。これらの陽性細胞は、歯髄と象牙質の境界面に規則正しく配列しており、若齢ラットと老齢ラットとで発現数に有意差を認めなかった。一方、若齢ラットの根尖部において、歯乳頭とそれをとりまく Hertwig 上皮鞘が観察され、同部位に S1PR1 陽性細胞が多数観察された。これらの細胞は胞体も大きく、陽性細胞数は成熟永久歯の老齢ラットと比較して有意に多かった。一方、老齢ラットの根尖部では線維化が亢進し、若齢と比較して根尖部に膠原線維が多く認められた。S1PR2 陽性細胞は 若齢、老齢ともに根尖部、歯髄腔においてわずかに認められた。 また、別途、象牙芽細胞に分化可能な歯乳頭幹細胞SCAPの象牙芽細胞分化にはS1PR1シグナルが関与することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、加齢に伴う象牙質-歯髄複合体での第二象牙質形成、歯髄腔狭窄におけるAGEs-S1Pシグナルの解析を実施するが、はじめに若齢と老齢におけるS1P受容体S1PR1およびS1PR2の分布を検討した。老齢ラットでは、石灰化が進んでおり、免疫組織染色における抗体の非働化の作業後にサンプルが剥がれて陽性細胞がカウントできない事象が生じたために、当初予想よりも時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
S1PR受容体は、老齢、若齢ラットともに象牙質-歯髄複合体、根尖周囲には、S1PR2陽性細胞と比較してS1PR1陽性細胞が多く認められたこと、またS1PR1陽性細胞数は老齢、若齢とに差を認めなかったことから、当初の予定通りS1PR1シグナルの詳細を検討していく。今後は、研究機関中の実施計画に従って、歯髄由来細胞の採取と関連遺伝子発現解析、糖尿病モデルラットの組織解析を予定している。
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