Project/Area Number |
23K09199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊東 有希 (信田有希) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80771162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 孝 岡山大学, 大学病院, 助教 (30636238)
山本 直史 岡山大学, 大学病院, 教授 (50432662)
井手口 英隆 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (80779421)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | レゾルビンD2 / 生活歯髄断髄法 / vital pulp therapy / レゾルビン |
Outline of Research at the Start |
生活歯髄切断法は従来,乳歯や幼若永久歯に限定した歯髄保存療法であり,成熟永久歯には適応でないとされてきた。近年の優れた覆髄材料の開発に伴い,『Vital Pulp Therapy: VPT』として生活歯髄切断法の適応が成熟永久歯まで広がりつつあるものの,その診断基準や治療法は明確ではない。申請者らの研究室ではこれまで,抗炎症性脂質メディエーター『レゾルビンD2(RvD2)』が根尖部の硬組織形成能を持つことを見出してきた。本研究では,RvD2の硬組織形成メカニズム解明を端緒として,同材料が成熟永久歯の歯髄炎に対するVPTの材料として応用可能かを検討することを目的とし,その治療法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年,硬組織誘導能に優れた覆髄材料や,封鎖性の高い覆髄材料の開発により,これまで適応範囲外とされていた成熟永久歯の歯髄炎症例に対しても,生活歯髄切断法が歯髄温存療法(vital pulp therapy; VPT)として臨床応用され,良好な経過を示すことが報告されている。生活歯髄切断法の適応が広がれば,より多くの歯において抜髄処置を避け,歯髄温存が可能となる。さらに,歯髄温存は歯の生存率を向上させるため,ひいては口腔機能の維持に大きく寄与できる。 これまで我々の研究室では,抗炎症性脂質メディエーター「レゾルビンD2(RvD2)」に着目し,ラット根尖性歯周炎モデルにおいて,同物質に根尖部の硬組織形成能があることを見出してきた。レゾルビンはエイコサペンタエン酸(EPA)などに代表されるOmega-3 Polyunsaturated Fatty Acidsの代謝活性物の一つである。その中でも,RvD2には抗炎症作用に加え,抗菌作用があるという過去の報告もあり,生活歯髄切断時の界面に硬組織を形成することができれば,覆髄材料として応用が可能ではないかと考えた。 そこで本研究では,生活歯髄切断法実施時のRvD2塗布界面において,硬組織形成が生じるかを確認すること,またそのメカニズム解明を目的とする。さらに,硬組織形成メカニズム解明を端緒として,既存の覆髄材料と比較検討した際のRvD2の優位性を検討することで,RvD2が永久歯に対する生活歯髄切断用の覆髄材料として応用可能か判断することを目的とする。 現在は,生活歯髄切断の深度決定,歯髄切断後の充填物脱落に対する対応などを主として,ラット生活歯髄切断動物モデルの確立,手技的な再現性確保を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度は,ラット生活歯髄切断法モデルの作成と切片サンプルの作成が主な目標であったが,手技的問題もあり,動物モデル確立に想定以上に苦慮した。現在は,生活歯髄切断の深度,歯髄切断後の充填物脱落に対する対応など,生活歯髄切断動物モデルの確立を目指しているところである。動物モデルを確立後には,組織切片を用いた染色を実施し,生活歯髄切断時の硬組織形成,RvD2レセプター発現量などを観察していく。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ラット生活歯髄切断法モデルの確立 生活歯髄切断の深度決定,充填物脱落に対する対応を行い,動物モデルにおいて手技的に再現性を確立する。 2. ラット生活歯髄切断法モデルを用いた組織学的解析 得られた組織切片を用いて染色を行い,生活歯髄切断面における硬組織形成の有無,RvD2レセプターの発現,炎症性サイトカインの発現などを定性的に判断する。
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