Project/Area Number |
23K09251
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高岡 亮太 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (20733968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 博彰 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (30448112)
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30550941)
石垣 尚一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (40212865)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 進行性下顎頭吸収 / ゲノム解析 / MRI / 顎関節 / 変形性顎関節症 |
Outline of Research at the Start |
進行性下顎頭吸収に起因する咬合変化は,重度の機能障害や審美障害を引き起こし患者のQOLを著しく低下させる.進行性下顎頭吸収に遺伝的な影響が関わっている可能性が考えられるが,遺伝学的なアプローチはほとんど実施されていない. また,進行性下顎頭吸収の治療後の咬合変化を抑制するためには,進行性下顎頭吸収の進行に伴う咬合変化が終了したことを確認した上で治療を開始することが望ましいが,咬合変化の停止を確認する方法は確立されていない. 本研究により,進行性下顎頭吸収を引き起こす遺伝子を探索し治療前のリスク予知法を考案する.また,下顎頭吸収に伴う咬合変化を観察し,治療開始時期を含めた治療指針の確立を目指す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
進行性下顎頭吸収に起因する咬合変化は,重度の審美障害や口腔機能障害を引き起こし患者の生活の質を著しく低下させる.顎関節以外の四肢の関節に関しては,大規模なゲノムワイド関連解析により,関節の変形や吸収に関連する遺伝子が明らかにされつつある.顎関節における進行性下顎頭吸収においても遺伝的な影響が関わっている可能性が考えられるが,遺伝学的なアプローチはほとんど実施されていないのが現状である.これまで400名の顎関節症患者の顎関節MRIおよびゲノムデータを採取することができた.今後ゲノム解析を実施し,下顎頭に進行性下顎頭吸収を引き起こす遺伝子の探索を進めていく. さらに下顎頭吸収が原因で開咬(歯が噛み合っていない状態)が発症した患者10名(CR群)ならびに健常成人10名を研究協力者とし初診時において口腔内スキャナー(IOS)によるデジタル印象および画像検査を行い,半年毎に同じデジタル印象ならびに画像検査を行った.2時点の歯列のSTLデータを解析ソフトウェアを用いて重ね合わせ,下顎中切歯の3次元的な位置変化を算出した.CR群および対照群の初診から半年間の下顎中切歯の3次元的な変化量の中央値を比較したところ,統計学的な有意差を認めた.CR群を1年以上経過観察したところ,開咬の程度が,ほぼ変化しなかった群は1名,プラスに変化した群は2名,マイナスに変化した群は1名,プラスとマイナスの変化を繰り返した群は3名であった.CR群においては,咬合接触がある最後方臼歯に圧下あるいは咬耗が観察された.IOSの使用により,咬合関係の3次元的な変化を客観的に観察することができた.CR群の多くは下顎位が不安定であり,多様な経過を辿ることが明らかとなった.また,咬合変化には咬耗あるいは臼歯の圧下が関与している可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究協力者のリクルートは順調であり,現時点では問題なく予定した研究データが獲得できている.また,遺伝子解析に向けた準備も問題なく進めているところである.顎偏位の3次元的なデータ解析の手法に関しては研究力者との度重なる打ち合わせの結果,任意の点でデータを数値化することができている.今後,歯の移動による影響を考慮した解析方法を検討していく予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
400名の研究協力者から得られたMRIの読影を行う.具体的には,関節円板転位の状態,下顎頭の退行性骨変化,関節内滲出液の存在などの項目について詳細な評価を行う.MRI検査より進行性下顎頭吸収を認める患者群および健常者群から得られたDNA試料を用いてSNP 解析を行う.解析するSNP は全身の変形性関節症についての報告されたSNPと,女性ホルモン関連遺伝子のSNPとする.候補遺伝子の探索が当初の研究どおり進まない場合は,最新の学術誌を抄読し,新たな候補遺伝子を検討する.進行性下顎頭吸収は珍しい疾患であるため,被験者が十分に獲得できない場合,患者のリクルートについて説明したリーフレットを近隣の歯科医院に配布するなどし,被験者数を増やすことにエフォートを傾注する予定である.
|