口腔内microbiomeの網羅的解析による食道がん治療に影響を与える因子の解明
Project/Area Number |
23K09311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西 裕美 広島大学, 病院(歯), 助教 (70403558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 耕司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20335681)
恵美 学 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30464308)
小松澤 均 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90253088)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 食道癌 / 口腔 / 細菌叢解析 / 治療効果 / 治療中感染性合併症 / 口腔内細菌叢 / F. nucleatum |
Outline of Research at the Start |
食道癌の発症,治療奏功や治療の合併症に関わる口腔のリスク因子は不明で,十分なエビデンスをもつ口腔衛生管理の有効性は証明されていない。 本研究では①食道癌の進行や,治療効果,合併症の発症にどのような口腔細菌や,細菌叢が関与しているか、②F. nucleatumのような細菌や細菌叢のどのような性状や特性が食道癌進行に関連するのか,さらに ③キーとなる細菌を指標とした口腔管理が食道癌の治療奏功や合併症予防に有効であるか、を問いとして,研究を進めていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本院食道癌患者は全例,治療介入前より歯科紹介されている。歯科診察時に同意を得た患者に対して、食道癌の治療効果・予後や合併症発症に関連する細菌,細菌叢を同定し,キー細菌の性状を解析し,キー細菌を指標とした口腔衛生管理の意義を検討するために,まず口腔・食道の試料からF. nucleatum 分離している。 口腔は舌背から、また食道は食道癌部位、および正常食道部を滅菌綿棒で擦過し、血液寒天培地に播種、生えてきたコロニーを培養後、F. nucleatum特異的プライマーを用いたPCR法にて菌種の同定を行う。F. nucleatumは様々な菌と共凝集する性質があることから、単離したコロニーがF. nucleatumとほかの菌が凝集したコロニーでないことをグラム染色後鏡見して確認した。 現在までに15名の患者の口腔と食道癌組織、食道正常粘膜よりF. nucleatum を分離した。 さらに分離したF. nucleatum は16SrRNA領域のシークエンスによって亜種解析を行っている。 また、亜種の解析と合わせて、食道癌の術前化学療法、もしくは術前放射線化学療法前,および手術前日、手術後に採取した口腔サンプルや切除組織からDNAを抽出し,16SrRNA遺伝子を指標とした細菌叢解析を行っている。 これらの細菌叢解析と、年齢,性,喫煙,飲酒,全身既往歴,血液検査など臨床因子,治療法や治療奏効率,病理学因子,転帰等の項目を調査し,口腔環境,同定した細菌,亜種や細菌叢と,癌の進行,化学療法などの治療奏効,合併症発症の有無などの治療奏効との関連を統計解析し,リスク因子を同定する解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は,F. nucleatum を亜種別に分離培養できる方法を確立した。F. nucleatumは様々な菌と共凝集する性質があることから、単離したコロニーがF. nucleatumとほかの菌が凝集している可能性が高いが、形態や色調からF. nucleatumと思われるコロニーをピックアップし、シングルコロニーとして培養、ほかの菌が凝集したコロニーでないことをグラム染色後鏡見して確認している。 2023年度は口腔・食道の試料からの採取,F. nucleatum 分離,亜種解析を主な研究目的としており、複数患者から,F. nucleatum 分離,亜種解析を行っており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔環境と、食道がんや口腔細菌,それぞれの細菌叢や同定した細菌,亜種や細菌叢と,癌の進行,化学療法などの治療奏効,合併症発症の有無などの治療奏効との関連を統計解析し,食道がんの進行や、治療に関連するリスク因子を同定する。 また、臨床分離したF. nucleatumで同定したキー細菌の生菌や加熱死菌を食道癌細胞に添加し,細胞増殖能の影響,炎症性サイトカイン,細胞への付着やがん浸潤に関連する蛋白の発現を標準株,亜種別に比較する。関連蛋白の発現に関与するシグナル伝達経路を同定する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Head and neck cancer patients show poor oral health as compared to those with other types of cancer2023
Author(s)
Nishi H, Obayashi T, Ueda T, Ohta K, Shigeishi H, Munenaga S, Kono T, Yoshioka Y, Konishi M, Taga R, Toigawa Y, Naruse T, Ishida E, Tsuboi E, Oda K, Dainobu K, Tokikazu T, Tanimoto K, Kakimoto N, Ohge H, Kurihara H, Kawaguchi H.
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Journal Title
BMC Oral Health
Volume: 23
Issue: 1
Pages: 647-647
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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