Project/Area Number |
23K09321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
島津 徳人 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (10297947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
添野 雄一 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (70350139)
小林 直樹 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (90447558)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 関節リウマチ / TRPチャネル / ルテイン / CAIAモデル |
Outline of Research at the Start |
食品の機能性成分である“ルテイン”の関節リウマチ(RA)の予防・症状緩和と疼痛抑制効果を明らかにすることを目的とする。RAは慢性滑膜炎であり、骨・軟骨の破壊が起こり激しい疼痛を伴う。近年は生物学的製剤が導入され、罹患者の病態は改善されつつあるが、重篤な副作用等の問題を含んでいる。TRPA1チャネルの活性化が、RAに関連する慢性疼痛や関節破壊の成立に関与することが報告されている。申請者らはルテインがTRPA1チャネル活性を抑制することを明らかにしている。そのため、ルテインがTRPA1チャネルの阻害剤として機能し、RAの予防・症状緩和と疼痛抑制効果があると想定している
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Outline of Annual Research Achievements |
雄性BALB/c系マウスを用いて正常群、炎症群、炎症+ルテイン群を設定した。CAIAモデルマウスは、まず抗II型コラーゲン抗体カクテルを尾静脈投与することで関節炎を惹起させ、その3日後にLPSを腹腔内投与(実験0日目とする)して関節炎を誘導した。炎症+ルテイン群については、抗体カクテル投与日からルテインを連日経口投与した。なお正常群と炎症群には、溶媒であるコーン油を対照として投与した。投与は月曜日から土曜日まで連続して1日1回行った。前肢・後肢の関節部における炎症状態を評価するため、実験1週目は連日、2週目は2日おき、3週目は3日おきに「関節炎スコアリング」「後肢の体積測定」「後肢の足蹠の厚さ計測」を行った。所定の観察期間の後、動物から膝関節部の試料を摘出し、マイクロCTによる3次元観察も行った。観察期間における体重変化としては、正常群では順調な体重増加がみとめられた。一方、炎症群と炎症+ルテイン群では、LPS投与4日目に体重が有意に低下したが、その後は正常群の体重まで回復した。炎症状態の評価では、「関節炎スコアリング」「後肢の体積測定」で、炎症群は実験4日目で高値を示した。この時点で炎症+ルテイン群は炎症群に対し低値を示した。これに併せて、実験4日目の炎症群個体では、顕著な跛行(歩行時の疼痛により、歩様に異常をきたしている状態)が確認されたが、炎症+ルテイン群のでは跛行が緩和されていた。膝関節部の3次元観察では、炎症群では骨幹端骨の成長板側の骨質は粗像を呈しており、炎症反応による骨吸収の促進、あるいは石灰化抑制反応がみとめられた。一方、ルテイン投与群においては、無処置群と同様の骨質構造が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度のの研究実施計画として、①CAIAマウスのRA発症を、行動学的解析(関節炎スコア値の増加、足蹠浮腫の発現、逃避閾値の低下)によって判断する。②所定の観察期間(最長8週間)の後、4%PFAで灌流固定する。膝関節を摘出し、μCT法にて関節部の骨破壊が生じているかを判定する。③膝関節を10%EDTAで脱灰しパラフィン薄切標本を作成し、滑膜炎、パンヌス形成、関節部の骨と軟骨の破壊程度から関節炎発症を評価することを予定していた。①と②については実施が完了しており、③については解析途中となっているが、間もなく関節炎発症の評価できる状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、RAに対するルテインの効果検証:膝関節組織の病態解析と滑膜細胞の培養解析を行う。膝関節組織の病態解析は、① RA構成組織(滑膜、骨・軟骨、感覚神経)でのTRPチャネルの発現と局在(抗TRPA1抗体、抗NeuN/Fox3抗体、抗Ⅱ型コラーゲン抗体)、② 滑膜細胞の増殖活性(抗Ki67抗体)とアポトーシス(抗カスパーゼ3抗体)、③ 悪玉破骨細胞前駆細胞・悪玉破骨細胞(抗FoxM1抗体、抗CD68抗体、抗RANKL抗体、TRAP染色)、④ 骨・軟骨分解能(抗MMP-3抗体、抗MMP-13抗体、抗Ⅱ型コラーゲン抗体)、⑤ 炎症反応の波及範囲(抗CD45抗体、Stat3)、⑥ 脊髄後角ニューロンにおける疼痛マーカの発現(抗c-Fos抗体)、⑦ルテイン投与前後での炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1、IL-6)、プロテアーゼ(MMP-1, 3, 8, 9, 13)のELISAアッセイとqPCR法による遺伝子発現量を解析する。RAマウス滑膜細胞の単離培養は、CAIAマウスの膝関節部から滑膜線維芽細胞を単離、コラーゲンゲルに混合し、10%血清入りDMEM培地で培養する。培地へのルテイン添加(1mg/ml)による形態変化や増殖活性を観察するとともに、RNA抽出・qPCRにて各種サイトカイン、転写因子群の発現変動を解析する。
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