Project/Area Number |
23K09354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 耕志 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60253217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 義朗 同志社大学, 理工学部, 准教授 (30638383)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | アミノ酸ゲル化剤 / 口腔粘膜炎 / アミノ酸含有ゲル / 支持療法 / がん治療 |
Outline of Research at the Start |
がん治療による重度の口腔粘膜炎の発症により、抗がん剤の減量やがん治療が中断するケースも多く、その場合治療効果や患者のQOLも低下してしまう。本研究では担がんマウスを利用した口腔粘膜炎モデルを作成し、成分栄養剤に含有されている各種アミノ酸を投与し、担がんマウス治療時の口腔粘膜炎の発症や増悪の抑制につながるアミノ酸を同定すると共にそのメカニズムの解明を行い、がん治療時に適切なアミノ酸を補給することで、抗がん効果を減弱させることなく、口腔粘膜炎の発症や増悪の抑制につながるアミノ酸併用新規支持療法の開発を目指す。これにより、がん治療時の口腔粘膜炎による苦痛を効果的に軽減し、治療成績の向上につなげたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
山口大学動物実験委員会の承認(承認番号55-024)を得た後、SCC7細胞をC3H/HeJJclマウスの背部皮下に移植してSCC7腫瘍を形成後に、5-FU(18mg/Kg/day)腹腔内投与下に、舌背部への酢酸(50%, 30秒間)塗布を行うことで口腔粘膜炎を作製した(International Garlic Symposium 24, ミュンヘン, 28th, April, 2024にて報告)。屠殺後肉眼的に舌背部に潰瘍を認め、その周囲は軽度発赤を認めた。さらに同部を切除後病理組織学的に検索した所、舌背部を中心に部分的には舌下面まで上皮欠損を認めた。同様にしてSCC7腫瘍を作製し、コントロール群、酢酸塗布群、5-FU投与+酢酸塗布群、5-FU投与+酢酸塗布+エレンタール投与群の4群に分け、各群4匹とし、治療効果を検討した所、エレンタール投与にて劇的に口腔粘膜炎が改善された。さらにエレンタールに加えてその主成分であるデキストリンとアミノ酸をそれぞれの含有比率で投与した所、エレンタールとアミノ酸は同程度に口腔粘膜炎を改善できた。次にエレンタールに含有されている18種類のアミノ酸のうち溶解可能なセリン、アルギニン、スレオニン、グリシン、リシン、システイン、アラニン、メチオニン、プロリン、バリンをそれぞれの含有比率で投与した所、プロリン投与群における口腔粘膜炎改善効果が最大であった。そこでイソプロパノール、水、カルボマー(ゲル化剤)、ジイソプロパノールアミン(pH調整剤)等を用いてプロリンゲル化剤を作成し、マウス口腔粘膜炎モデルを用いて口腔粘膜炎に対する有効性を検索した。その結果、5-FU投与+酢酸塗布群の口腔粘膜炎と比較して、300mMプロリンゲルでは効果はやや乏しいものの、500ー2000mMプロリンゲルの効果は顕著であり、2000mMプロリンゲルが最大の効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に翌年度行う予定であった口腔粘膜炎の発症や増悪の抑制につながるアミノ酸(プロリン)を同定でき、プロリンを含有させたアミノ酸含有ゲル化剤が作製でき、500ー2000mMプロリンゲルが顕著な口腔粘膜炎改善効果を発現すること、その中でも2000mMプロリンゲルが最大の効果を発現できることを明らかにできたことから、おおむね順調に研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
安全に投与可能で口腔粘膜炎治療に有用なアミノ酸としてプロリンを同定できたため、プロリン投与マウスとプロリン非投与マウスの口腔粘膜炎部(舌部)、唾液腺を摘出し、それぞれ核酸を抽出後、両者の差異を、RNAシ-クエンシング、マイクロアレイ解析ならびにネットワーク解析を用いて検索し、プロリン投与が口腔粘膜炎の発症や増悪の抑制につながるメカニズム、唾液腺保護や唾液分泌維持につながるメカニズムをそれぞれ検討していきたいと考えている。
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