Project/Area Number |
23K09406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松本 邦史 日本大学, 歯学部, 准教授 (00508658)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 顎関節症 / 咀嚼筋 / texture分析 / MRI |
Outline of Research at the Start |
顎関節症になると、あごの動きを制御する筋肉に異常を生じ、痛みや動かしづらさといった症状がでます。この研究では、あごの関節と筋肉のMRI写真を用いて、筋肉の構造や特徴を数値化して、筋肉の状態を良い、悪いなどのように具体的に表すMRI写真の指標を探します。最終的に、あごの周りの筋肉に対する新しい客観的な評価法を開発したいと考えています。
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Outline of Annual Research Achievements |
顎関節症の細分類である咀嚼筋痛障害患者の頭部MRI拡散強調像(ADCマップ)に、咀嚼筋(咬筋・内側翼突筋、外側翼突筋)の概形に沿った2次元および3次元関心領域を設定し、LIFExソフトウェア上でテクスチャ解析を行った(n=14)。1つの関心領域あたり、約170のテクスチャ画像特徴量(画像バイオマーカー)を得た。また、同様に顎関節症の既往のないボランティア学生(n=25)および過去に顎関節症でMRIを撮影した患者(n=44)、その他の頭頚部疾患患者のMRIにて計測を行った。まず、顎関節症患者のうち咀嚼筋痛障害(筋痛)を有する患者の筋肉と痛みのない側・非顎関節症患者・ボランティアの筋肉における、画像バイオマーカーの値を比較したところ、計3種の筋肉で合わせて4種のマーカーで筋痛の有無のよる有意差を認めた(2次元)。また、筋肉の種類によって、外側翼突筋と内側翼突筋・咬筋に複数の画像バイオマーカーで有意差がみられた。当初計画にあったT2強調像で計測を行ったが、非顎関節症患者における経過観察時の胸鎖乳突筋での計測においても、相対値ゆえ前後2回の画素値に再現性がないことから、テクスチャ分析は実施しなかった。また、計測手法においては、LIFExをタブレット端末の画面上で操作することで手書きで容易に関心領域を設定するできた。 以上から、咀嚼筋の3次元的な関心領域内ADC値をテクスチャ解析することで、筋痛に特異的な画像バイオマーカーを抽出できる可能性が十分にあると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5,6年度はデータの収集期間として位置づけ、解析の方法を確立することであり、当初の計画より大幅な遅れはない。しかし、顎関節症患者における筋硬度の測定、病歴データは十分な数を得られておらず、MRI画像のみ過去の患者の画像データと臨床データで補充している現状がある。そのため、前向き研究としてのデータは10例を超えた程度である、引き続き収集を続ける。同様に、過去画像を利用することで十分なサンプル数は補えると考えていたが、過去の具体的な痛みをピンポイントで指摘することはできないため、筋全体を関心領域とすることで咀嚼筋の評価を行っているため、関心領域の設定に時間がかかる。また、当初の計画に加え、上記医の3次元関心領域を取り入れることで、解析に2次元関心領域の数倍時間がかかる。今後、上述の通り、測定(関心領域)の再現性についても、新手に検討する必要があると考えており、複数回の解析に今後時間を割かれる可能性はあるが、まずは十分なサンプルサイズを得るため令和6年度も引き続きデータ収集を継続する(当初の予定通り)。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータ収集を継続していくと同時に、口腔内外の状況(例:歯の欠損状況、顎関節の状態)や病悩期間と比較を進める。同一患者のおける咀嚼筋痛障害の寛解後との比較は令和6年度開始予定である。 今回、T2強調像で設定した関心領域をタブレット上で設定したが、2次元/3次元関心領域の面積/体積に十分な再現性があるかも新たな課題として検討していく。また、拡散強調像特有のアーチファクトの多さにより、ADC値の計測ができない症例が多いことについて、今後臨床応用を目標とする以上、ADC以外の定量的手法を取り入れていくことも検討している:T1値、T2値、PD値といった定量的データを計測するため、結果的により多くの指標をを利用できるようになる(シンセティックMRI撮像を連携施設と調整中)。また本研究を実施している中で、本解析手法が他の咀嚼筋疾患の鑑別にも有効となり得ると考えており、他の咀嚼筋の疾患群も加えて解析を行う予定である。
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