再植歯の人為的髄床底穿孔と神経伝達シグナル調節による歯髄再生療法の開発
Project/Area Number |
23K09411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 邦子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80213693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
早崎 治明 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60238095)
佐野 拓人 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (90880592)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 歯髄再生 / 組織幹細胞 / 歯の再植 |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまで、再植歯の歯髄再生には早期の血行回復による歯髄静的幹細胞の活性化が必要であることを明らかにした。また、齧歯類では、β3アドレナリン受容体作動薬の全身投与が歯髄静的幹細胞賦活化による切歯成長促進を起こすことが示されたことから、今回我々は再植時にこの2つのアプローチを組み合わせ、歯髄幹細胞を効率的に賦活化しうる手法を検証する。 すなわち、①歯の再植時の髄床底部への意図的穿孔形成による歯髄治癒促進効果と、②再植歯に対するβ3アドレナリン受容体作動薬の効果的な応用方法、を検証する。これにより、外傷歯における人為的血流調節と神経伝達シグナル調節による歯髄静的幹細胞活性化機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、歯根完成歯を完全脱臼した際、再植後の歯髄再生を促す新規手法を考案するためには、まず、歯髄の血行回復が最重要であることを明らかにしてきた。これまでの研究で、歯の再植時に髄床底部へ意図的穿孔形成を施すと、歯髄内に早期の血行回復が生じ、象牙芽細胞様細胞分化が促進され、第三象牙質形成が有意に上昇することを明らかにした。これは再植時の意図的穿孔形成が術後の歯髄静的幹細胞の動態に影響を与えていると推測される。そこで今回、再植時の意図的穿孔形成が歯髄静的幹細胞の生存・賦活化にどのような影響を与えるかを検証した。 【方法】胎生期ラベリング(胎生16.5または17.5日から2日間のドキシサイクリン投与)により歯髄静的幹細胞を GFPで標識した3週齢 TetOP-H2B-GFPマウス及び3週齢 Crlj:CD1マウスの上顎両側第一臼歯を抜去後、左側(対照群)は即時再植し、右側(実験群)は髄床底に穿孔形成し抜歯窩に再植した。経時的に灌流固定し、頭部矢状断パラフィン切片を作製し、 GFPと Nestinの免疫組織化学を行った。 【結果】実験群の歯髄象牙質界面における Nestin陽性率は対照群よりも術後5日目以降で高い傾向にあった。歯冠部における実験群の GFP陽性細胞率は、術後5日目と7日目で対照群よりも有意に高かった。従って、再植時の穿孔形成による早期の血行回復は、歯髄静的幹細胞の生存を助長し、象牙芽細胞様細胞分化を賦活化すること、歯髄内への樹状細胞の遊走を促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手技の確立にやや時間を要しているが、おおむね順調である
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Strategy for Future Research Activity |
1.今年度の実験系を用い、in situハイブリダイゼーション(ISH)法または定量RT-PCR法にてDspp、Opn、硬組織形成細胞マーカー(ALP)、幹細胞関連シグナル(Oct3/4、CD90/Thy1、Gli1)、細胞増殖マーカー(CyclinD1)、アポトーシスマーカー(Caspase3)遺伝子発現を解析する。 2.穿孔形成を行った抜去歯を、β3アドレナリン受容体作動薬(イソプロテレノール)をHanks液に添加した実験群とイソプロテレノール無添加の対照群に分け、5-20分間浸漬後、再植し、同様に解析する。イソプロテレノールは、吸入用気管支拡張剤として医療用医薬品として認可されているアスプール液(0.5%イソプロテレノール)を用いる。アスプール液10mL+Hanks液 500mLを基準に濃度と浸漬時間を変化させて効果を検証する。 これにより、本研究の目的である「外傷歯における人為的血流調節と神経伝達シグナル調節が歯髄静的幹細胞活性化に繋がるか」を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)