S. mutans コラーゲン結合タンパクに着目した IgA 腎症発症機構の解明
Project/Area Number |
23K09435
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
仲 周平 岡山大学, 大学病院, 講師 (10589774)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 和彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00379083)
仲野 道代 (松本道代) 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30359848)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | IgA 腎症 / Streptococcus mutans / コラーゲン結合タンパク / ラット頸静脈モデル / ラット齲蝕モデル / リコンビナント Cnm / RNA シーケシング解析 / IgA腎症 |
Outline of Research at the Start |
これまでに,菌体表層にコラーゲン結合タンパク (Cnm) を発現する Streptococcus mutans 菌株が,IgA 腎症の発症に関与することを明らかにした。最近では,ラット頸静脈モデルと齲蝕モデルを用いた検討により,Cnm を発現する S. mutans が血液中に侵入することで,IgA 腎症様腎炎の発症に関与していることを報告した。本研究では,IgA 腎症患者より分離した Cnm を発現する S. mutans を用い,分子生物学的手法を駆使し様々な in vitro 系実験および動物実験を行うことで,IgA 腎症発症のメカニズムの全容の解明につながる知見を得たいと考えている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
IgA 腎症は,小児および成人ともに慢性糸球体腎炎の中で最も発症頻度が高く,発症後 20 年のうち約 30-40 %が末期腎不全に陥る予後不良な腎臓疾患として知られているが,その発症の詳細なメカニズについては不明である。これまで,IgA 腎症の発症にはコラーゲン結合タンパク (Cnm) を有する Streptococcus mutans が関連する可能性を報告してきた。ラットを用いた頸静脈モデルおよび齲蝕モデルでは,IgA 腎症患者口腔内より分離した Cnm を有する S. mutans SN74 株が血液中に侵入することで,腎臓糸球体に IgA や C3 の沈着が確認され,メサンギウム細胞や基質の増加を呈し,IgA 腎症様腎炎の発症に関与していることが明らかとなった。本研究では,さらに Cnm が病態発症に関連している可能性に着目し,検討した。 ラット頸静脈モデルを用いて,SN74 株の Cnm をコードする遺伝子である cnm 遺伝子を不活化した CND 株 および CND 株に cnm 遺伝子の再導入を行った相補株である CND-Comp 株,分子生物学的に作製したリコンビナント Cnm (rCnm) を血中へ投与し,病原性の評価を行った。その結果,SN74 株,CND-Comp 株,rCnm 投与群では,IgA 腎症様腎炎の病態の発症が認められたのに対して,CND 群では認められなかった。これらの結果から,S. mutans の有する Cnm が IgA腎症発症に関連している可能性が示唆された。 今後は,分子生物学的手法を駆使し様々な in vitro 系実験および動物実験を行うことで,S. mutans が有する Cnm が引き起こす IgA 腎症発症の病態の発症メカニズムの全容の解明につながる知見を得たいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究当初に予定していた Cnm をコードする遺伝子である cnm 遺伝子を不活化した CND 株 および遺伝子の再導入を行った相補株である Comp 株,分子生物学的に作製した rCnm を投与するラット頸静脈モデルを用いた動物実験に関しては予定通りに実施した。 今後は、rCnm 投与群のラット腎臓における免疫電顕を用いた検討,さらに,IgA を産生し免疫異常に関連する臓器である腎臓,小腸,および脾臓における遺伝子発現の変化をRNA シーケンスにより網羅的に解析する予定である。さらに,ラット齲蝕モデルを使用した検討に加え,IgA 腎症を有する患者の口腔から分離された S. mutans 株の生物学的特性についても行っていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた結果は概ね予定通りであったため、次年度も申請書に記載した当初からの予定通り推進したいと考えている。また、順調にデータが得られているため、当初の予定を前倒しして論文発表を行いたいと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] cnm-positive Streptococcus mutans is associated with galactose-deficient IgA in patients with IgA nephropathy2023
Author(s)
Misaki T, Naka S, Suzuki H, Lee M, Aoki R, Nagasawa Y, Matsuoka D, Ito S, Nomura R, Matsumoto-Nakano M, Suzuki Y, Nakano K.
-
Journal Title
Plos One
Volume: -
Issue: 3
Pages: 0-0
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-