間葉系幹細胞の骨芽細胞分化におけるメカノセンサー、メカノトランスダクションの解明
Project/Area Number |
23K09436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤澤 友基 徳島大学, 病院, 助教 (10646152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 善隆 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (30230816)
長谷川 智一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50274668)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / メカノセンサー / メカノトランスダクション |
Outline of Research at the Start |
メカノセンサー、機械受容は発生や細胞分化、再生、健康の維持、疾患の発症などと大きく関係している重要な研究課題である。大きな組織レベルで捉えると今までのような特定の構成要素だけを解析し問題解決をしていくのは困難なテーマである。しかし本研究では未分化間葉系幹細胞株に微弱な圧迫力を与えた場合の骨芽細胞への分化誘導機構の解析を行うため、従来のような1分子単位あるいは複数個の分子に限定した、非常にシンプルな実験系を組み立てることが可能である。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞の分化に細胞外環境が重要であることはよく知られている。伸展力や圧迫力などの機械的刺激が骨芽細胞分化に影響を及ぼすことは多数報告されている。しかし、どの報告の力も生体内に換算すると大きな力で、わずかな力による報告は少ない。研究代表者らは間葉系幹細胞株UEF7-13に微小な圧迫力をかけることで、骨芽細胞に分化することを確認した。これは分化誘導因子を添加することなく石灰化を認めたことから、機械的刺激のみで成熟した骨芽細胞への誘導が可能なことを示唆している。本研究では、間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化に関与するメカノセンサーの同定とその下流のメカノトランスダクションの解明、およびその臨床応用を目的とする。 本年度の研究計画では、まず、間葉系幹細胞を分化させる至適圧迫力を探索することから開始した。予備実験で用いた圧迫力は0.005MPaであったが、圧迫力を0.0001MPa、0.0005MPa、0.001MPa、0.005MPa、0.01MPa、0.04MPaの幅で実験をする予定であった。しかし、0.0001MPa、0.0005MPa、0.001MPaのかなり微弱な圧迫力下で細胞を培養すると、細胞が死んでいく現象が続いた。培養液を頻回交換するなど検討を試みたが、圧迫力が弱いため、培養機内の空気交換が上手くできておらず細胞が酸欠状態に陥った可能性が考えられた。そこで、現在は培養機内の空気交換回数を上げるように設定しなおし、培養を継続している。現在のところ、細胞は死ぬことなく培養ができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、今回の研究における至適圧迫力の探索を行う予定であったが、機器の設定方法の修正に時間がかかった。今回の実験ではさまざまな圧迫力を1回で行うことができず、また1回の実験期間が4週間と長いため、実験の成否の判別に時間がかかる。 また、年度の後半に、実験室の停電により-80℃冷凍庫内の物が解凍するという事態が生じ、庫内の全ての試薬や保存していた細胞の状態確認を行う必要があった。 上記の理由から、研究を予定通り進めることができず、進捗状況はかなり遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、培養機内の空気交換回数を増やし、庫内のO2・CO2濃度の調整を行いながら、培養をしている。現在までのところ、細胞は順調に分化していることから、この条件を継続するとともに、もう少し微弱な圧での培養も検討している。今後、現在の培養機で培養可能な最弱圧を決定し、その圧での細胞分化について検討する。また、DNA chip / microarrayを使用して候補遺伝子を決めていく予定である。変化のある候補遺伝子の中から細胞骨格、膜蛋白質、細胞外基質に的を絞り、その分子機能の阻害剤、agonisit、中和抗体等を使用して骨芽細胞への分化に影響があるかどうかを検討していく。さらに予想される遺伝子のsiRNAなどで機能のknock-down等で確認を行う予定である。同定されたメカノセンサー(機械受容体)からの細胞内シグナルの検討を行う。これには阻害剤やagonistを使用して細胞内シグナル経路の予想を行いながら検討する予定である。最終的にはwestern blottingにより確認する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Iroquois homeobox 3 regulates odontoblast proliferation and differentiation mediated by Wnt5a expression2023
Author(s)
Narwidina A, Miyazaki A, Iwata K, Kurogoushi R, Sugimoto A, Kudo Y, Kawarabayashi K, Yamakawa Y, Akazawa Y, Kitamura T, Nakagawa H, Yamaguchi-Ueda K, Hasegawa T, Yoshizaki K, Fukumoto S, Yamamoto A, Ishimaru N, Iwasaki T, Iwamoto T.
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 650
Pages: 47-54
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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