Project/Area Number |
23K09451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
柏村 晴子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (20425268)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 口唇閉鎖不全 / 両唇音 / 歯唇音 / 口腔機能発達不全症 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、判定する歯科医師だれもが同じ基準で構音時の口唇閉鎖機能不全や舌の異常習癖を指摘できる診断法と治療法を明らかにするため、構音時の口唇閉鎖機能不全や舌の異常習癖に対する①評価項目・評価方法の確立、②単語(構文)の選出、③治療法のプロトコール作成の確立、を目的に行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
「口腔機能発達不全症」を診断する際の構音機能の項目については、音声だけでなく咬合、 口唇や舌の動きを含めた機能を診察する必要がある。そこで今回、上下の口唇閉鎖(接触)が必要な両唇音(パ・バ・マ行)を構音する際に、上下の口唇が接触せず歯唇音になっている小児を観察し、その要因について検討した。 本研究への参加に同意が得られた 4~12歳の患児 146名を対象とした。結果、「歯唇音」となっているものは被験者全体の42%であり、側方歯交換期においても39%存在していた。成長過程で歯唇音を獲得してしまう要因を明らかにするため、口唇閉鎖力と被蓋との関係を確認した。側方歯交換期において、口唇接触群(両唇音)と非接触群(歯唇音)との間に、口唇閉鎖力およびOver Jetに有意な差を認めた。そこで、非接触群(歯唇音)に対する口唇閉鎖力とOver Jetの関与について、単変量解析を行ったところ、側方歯交換期においてOver Jetは大きいほど口唇閉鎖力は小さいほど有意に非接触群(歯唇音)になりやすいことが明らかとなった。 以上のことより、側方歯交換期の両唇音構音時の口唇閉鎖の有無には、口唇閉鎖力とOver Jetが有意に影響しており、乳幼児期からの口腔機能発達不全と口腔形態形成における負のサイクルの経年的持続が、側方歯交換期に明らかな機能的・形態的な異常として現れてくる可能性が示唆された。これらの結果より、両唇音構音時の口唇閉鎖の有無を観察するという診査方法が、形態的異常を認めない低年齢の時期に口腔機能発達不全症予備群を診断する1つの手法となり得ることを示していると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モーションキャプチャー解析を行うことを目標に、まずは構音時の小児の口唇の動きをビデオ撮影を行い、観察を行っている。被験者の数を獲得するために、時間を要したため、進捗状況が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
非接触群の割合は、歯列の成長に伴い減少していたが、側方歯交換期においても多くみられた。側方歯交換期の両唇音構音時の口唇閉鎖の有無には、口唇閉鎖力とOverJetが有意に影響しており、幼児期からの口腔機能発達不全と口腔形態形成における負のサイクルの経年的持続が、側方歯交換期に明らかな機能的・形態的な異常として現れてくる可能性が示唆された。よって両唇音構音時の口唇閉鎖の有無を観察するという診査方法は、構音機能としての口唇閉鎖を確認できる1つの手法であり、口腔機能発達不全症における構音機能の新しい手法となると考えられた。今後は、1個人の経時的変化を追跡していく必要性があると考えている。
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